/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

「新しい生活様式」下におけるバレーボールを考えすぎている

世の中では徐々に新型コロナウィルスの新しい感染者は減ってきて、一時期は全国に出ていた緊急事態宣言もじわじわ解除され(こちらはもーちょっとだな)、休業していた各業種や店舗が再開され、学校も始まりだして、少しずつだが動き始めた感がある。一方で、夏頃まで(一部そのあとも)に予定されているイベントについては既に中止が発表されたものは多く(昨日はライジングサンの中止が発表になった。去年も天候に恵まれなかった…)、開始や再開の目処が立たないものごとは、もっと多いのだろうと邪推する。

この記事の続き的に書く。そう。この記事を読んでいたときに見た番組絡みで、Nコン*1も中止になっちゃったなあ…

dhalmel.hatenadiary.jp

最近、スポーツの映像(いまおこなわれているものにせよ、過去の収録ものにせよ)を、この競技の形態では、開催することができるのだろうか、ということを考えながら見てしまう。それを考え始めると、中身が頭に入ってこない。

「競技はできるかもしれないが、お客さんを呼べるのだろうか」「お客さんを呼べないで、どうやって収益を上げるのか」という課題は、もちろん存在する。だがしかし、それ以前に、「その競技自体をおこなって大丈夫なのだろうか」ということが、考えるポイントとして出てきてしまう。もし、その競技自体を安全に開催できる目処が立たないのだとすれば、その先を望むべくもない。

この件については、たまに各所で雑談に至るのだが、大抵は「そういうことは考えても仕方がないから」「ことしは諦めたほうが」「ハイ終わり次の話題に」みたいに流されてしまっている。おそらく、いろいろな競技について、じわじわと策が練られ、完全にいままで通りではないにせよ、工夫をこらしてスタートしていくのだろう。そして残るのは、屋内の球技なのかなあなどと。

5月4日に発表された「新しい生活様式」およびその周辺で広報された文章を読むに、「スポーツ」として定義されたものを見ても、団体でおこなわれるようなものは論の外に置かれている。今後のイベントごとの実施方針・指針については、各自治体の広報サイトで徐々に記載されている。どこまで具体的に踏み込んでいるかはそれぞれではあるが、基本的に下記の広島県福山市福山平成大学のあるところですね)のサイトにあるような基準を以て、各所動くのであろう。

新型コロナウイルス感染予防対策に伴うスポーツ施設及び青少年施設などの施設・イベント対応について - 福山市ホームページ

公益財団法人福山市スポーツ協会主催のイベントや教室などは,屋内であれば100人以下,かつ収容定員の半分以下の参加人数であること,また,屋外であれば200人以下,かつ人との距離(2メートル)を十分に確保できることを目安とし,次の感染防止対策を検討したうえで,イベントや教室ごとに別途お知らせいたしますので,各イベントや教室のホームページでご確認ください。

  • 三つの密(密接・密集・密閉)が原則想定されないこと。
  • 入場者の制限や誘導,手指の消毒設備の設置,マスクの着用等,適切な感染防止対策が講じられること。
  • イベントの前後で休憩時間等の交流を極力控えること。
  • 密閉された空間で,大声での発声,歌唱や声援または近接した距離での会話等が原則想定されないこと。
  • イベント参加者の連絡先等の把握ができること。

だよなあ。と、思うわけである。緊急事態宣言が解けたところで、こんどは「新しい生活様式」に沿った形で、競技自体ができるのかどうかということが、テーマとして残ってしまうのである。バレーボールの会場を思い出しながら、メモを起こしてみる。

  • 1試合おこなう上で関わる人の数は、両チームの選手、スタッフ、審判、記録、運営、会場管理、(報道)、他、少なく見積もっても50人はいるのだろう。現在の各種大会のように、1つの会場で複数の試合がおこなわれるのだとすれば、100人は超えるのであろう*2
  • 屋内において、ボールを(主に手を遣って)繋げる競技である。
  • ボールを繋げるにおいて、コートの中で声を掛け合うことが前提としてある。
  • 9メートル四方の中に6人。×2。

一般入場者を伴わないにしても課題がいっぱいあるのだ、と、おおきく息を吸ってしまう。交流などがおこなえないという話の前にある、そもそも競技ができるのか、ということである。オンラインでは、どうしても、「ボールは」繋がらないのである。

f:id:dhalmel:20181021084833j:plain

試合って、どんなふうに、始まるのだろう。

現時点で8月までに開催が予定されていた大会の殆どが中止になっている。この中には、天皇杯や国体の都道府県ラウンドも含まれている。国体の東京都予選に関しては、日程を当初の予定から延期して、無観客で開催する旨、都協会から通知が出ている。

【競技会情報】令和2(2020)年度 TVA各種競技会の中止・延期等について(5月15日現在) – 公益財団法人 東京都バレーボール協会

実施予定の全ての大会において無観客試合といたしますので、参加するチームにおかれましても、申込書に記入した監督、スタッフ、選手以外の入場をお断りし、最低限の人数で大会を運営することにご協力をお願いいたします。

 この記事の冒頭にもあるが、「チームの練習不足による怪我等の防止」という観点は、先に始まっている競技でも見受けられるし、各種大会を開催するか中止するかの判断において、重要な判断材料になっているのだなということは見て取れる。近々の大会に対しては、その基準がかなり入って、「やる」「やらない」が決まっているようにも思える。

バレーボールにおいては、Vリーグ(2019-20シーズン)が途中で終わり、黒鷲旗が中止になり、春の大学リーグが全ての学連で中止になり、東日本インカレ・西日本インカレが中止になり、インターハイも中止になった。クラブカップや、実業団9人制の大会も中止だ。

現在ボールを遣って体育館で練習が出来ているチームはいくつあるのだろう。企業、学校や自治体がその活動を縮小する中で、体育館自体が遣えない事案は、日々異なる場所で練習しているチームでも、練習体育館を普段専有できているチームでも、それなりに等しく起こっているようだ。今は(緊急事態宣言の解除具合にもよるが)、各社・各チーム、どのように対策を取りながら再開に向けていくか、という対策を講じているところなのだとは思う。

具体的に、どう対策を講じようとしているのか、もし、見る者が、そこに居合わせられるようになったら、何にどう留意したらよいのか、というところが、徐々に鮮明になっていったらいいなあと思う。今は協会も機構もチームも各団体も、それを打ち出せない状態だからこそ、さしあたり「笑顔でつないでおく」しかないのかもしれないが、ただ、イメージで繋がれっぱなしで、結局の所、このシーズンをどう過ごせるのかわからないまま、はしごを外されるのだけは、勘弁してほしいなあ。控えめに言ってそんな感覚の中にある。

おそらく、如何に試合→大会をおこなうか、については、全世界的に手探りなのだろう。手探りだからこそ、何を探って、どう模索して、何を考えていて、どういう課題があるか、というところについて、構成される多くの人の中で共有されて、ひとつひとつ解決していくような状況を望みたい。そのためにできることは何かないか、ということは、考えたい。

Vリーグとて、例年であれば日程が検討され始め、おそらく来月か再来月には発表される時期である(チャレンジマッチ延期不可の理由にもちゃんとあがっていた)。Vリーグは基本的に屋内で開催されるわけだし、じわじわと寒い季節に入っていくので、窓を開けての換気は困難を極めるだろう。試合が開催できても、観客席はゼロか、ゼロではないにせよ、本来のキャパシティの何割かは「密」を避けるために費やさなければならないだろう。現場に居合わせたいけれどそれがかなわない人は増えるだろう。

そこで、どう、ひとつひとつの試合を見せるのか、ということも、目一杯検討されてほしい。需要があるないじゃなくて、今季はどのカテゴリも需要があるんだと判断されてほしい。V1はGAORA放映、DAZNやV.TVの配信を通じて比較的多く見られるが、V2、V3はかなり少ない。見に行けない、配信はない、チームによる発信も権利云々が…じゃ、これまで(少ないながらも)V2やV3の土台を築いている、観た者による愛のあふれる発信は望めない。見る側からは何らかの対価を払える環境があればいい。でもやっぱり需要は少なくて経費ばかりかかって…になるのは、わかる、が…

考えすぎてとっちらかっている。Vリーグ開幕まで半年弱あるが、いや、半年弱しかないのである。せめて、開催する側が何を考えて、何に悩んでいるかがわかるだけで、違ってくる感じがする。そこから「じゃあしょうがないね」「こうしたらいいんじゃないかな」が出てくるように思う。結局、そうならないような気持ちはあるんだが…と極力口に出さないようにしながらこの稿だけは締める。そして、できることはやる。極力外に出ず、手を洗い、適度な運動をして、夜になったらよく寝る。

*1:NHK全国学校音楽コンクール。この中の人も中高で参加し、中3の折には札幌でさんばんめになり、スタジオ収録を経験した

*2:1コート1試合で進むであろうVリーグはさておき、国体を含め多くの大会では複数コート同時進行である。春高など想像するともう