/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

オリンピック招致は「スポーツ界」が繋いだ「希望」だったのか

inspired:

2016年オリンピック開催地を決める投票、なんだかんだでNHKの中継を、固唾を呑んで(半分twitterで言葉を交わしながら)見ていたのだが、周知の通り、開催地はリオデジャネイロに決まった。投票は2回目の東京で落選した(逆だろ)。
一夜明け、二夜明けてびっくりしたのは、日本のいろいろなスポーツ団体、乃至は関係者が、「オリンピックを地元で開催することによって、さまざまなスポーツの普及(或いは、普及に伴い有望な選手が登場する確率が上がるという期待)に繋がると考えていて、「それ故に」今回の結果にショックを受けているという点であった。

しかし、どうも腑に落ちない部分が多いのである。殊に自分がよく見ているバレーボール界隈を考えると。

元記事として引いたエントリーにも書かれていたが、

私たちの仕事を一口で表現すると「すべてはオリンピックで金メダルを獲得するために」となります。

http://www.jva.or.jp/jva/recruit.html

と言い切っている日本バレーボール協会(JVA)のスタンスは、バレーボールという競技自体の人口を増やすためにはプラスにならないのではないかと思うのである。それだけが目標なのであれば、それこそ何のためのバレーボール - Stay Foolishブコメにもあったとおり、世界で闘えるに相応しい高身長の有望な人材を早い段階で一箇所に集めて集中的に国策(?)として鍛える、という方向にいくしかないだろうけど、果たしてそれってどうなのだろうなぁ…というのはある。ほかの競技でどうなのかはわからないが、殊に「身長」が重要なファクターを占めるバレーボールにおいて、国際舞台に通用することが一義、と言い切ってしまうことは、多くの割合で存在する「身長はちょと足らないが競技として見ると魅力的なプレイをする」選手や、そのようなプレイをたのしいと思うファンや、そのようなプレイに憧れる若年層のプレイヤーにとって、ひたすらマイナスに作用してしまうと思えてならないのである。
そして、それって、「身長があって将来有望な選手」にも、決してプラスには働かないだろう。刺激を受ける機会が減ってしまうことになりかねないのだから*1

たぶんね、全国各地に本気で100個のクラブチームをつくって、Vリーグを各ディビジョン12チームずつ、5部までつくって10年運営できれば、金メダル獲れるよ、きっと。

すべてはオリンピックで金メダルを獲得するため、ですか。EL13-桂-|東京ヴェルディバレーボールチームを応援するブログ

徐々に、しかし着実にそっちの方向へ進みつつある(勿論困難はいっぱいあるが)サッカーなどに、バレーが習おうとする*2には、おそらく選手の絶対数と、その選手が選手生活を続けられるだけのバックボーンが足りないのだとは思う。しかし、もしそれを競技の見せ方、活かし方というファクターで解決出来る方法があるのであれば、まずはそこから考えを巡らせる必要がある。可能かどうかは別として、少なくとも今は決してその方向へは動いていない。
また、日本のスポーツ界全体のパイを考えると、ある競技だけが盛り上がる方法を考えるだけでは、どうも誤った方向に進むような気がしてならない、そう考える部分もある。幼時より、スポーツが得意な人、あるいは何らかの適正を見いだされた人は、あるスポーツに集中して取り組むことになるのだろうが、そこから別なスポーツへの橋渡しも上手くできるようにならないかなぁとか…殊に、部員のかなり多い競技で応援に励む控え部員などを見ると、ああ勿体ないなぁなんとかならんかなぁとは思うことがあったり。

いずれにせよ(オリンピアンな方々はいろいろ招致活動にも奔走したのだろうが)、ついつい「招致にかけたおカネでいくつのチームの廃部が免れたのだろう」と、筋違いのことだとわかっていても、ついつい考えてしまう秋の夜、であり…

surumeno13 surumeno13 社会, sport 北京五輪までの1年間に日本が投じた選手強化費は27億。誘致にかけた金額は150億円以上。この金銭感覚はおかしくないか。 2009/10/04

はてなブックマーク - 五輪落選で傷心の慎太郎知事に消えぬ辞任説:社会:スポーツ報知

*1:アタマの中では「しゅんすけに激しく刺激を受けるしゅんすけ」というフレーズがぐるぐるしたがそれは措く

*2:それが良いのかどうかという議論はさておき