/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

「チームそれぞれ」ゆえの大きな壁

正月は箱根駅伝を見ていた。箱根駅伝が終わってから既に3日が経過するが、未だにネット内外各所で熱い感想戦(?)が繰り広げられている。個人的には櫛部監督のささやきが印象に残りすぎたがそれはそれ。

各選手が走っている間ずっと考えていたのは、大学スポーツの位置づけについて。大学スポーツというのは、その先の競技へのステップであるべきとされているものなのか。そして「その先」というのは、どこを指すのか。

  • オリンピックなのか。
  • 実業団なのか。

しかし、

  • どれだけの選手が、其処へ辿り着くのか。
  • そもそも、どれだけの選手が、其処を目指しているのか。

ということを考えると、今の場所は何かに繋がるのか*1、という問い自体が、果たしてすんなり嵌るのか、いろいろなモノゴトを考えるベースとして適切であるのか、という疑問が沸く。

スポーツである以上、そして、そこに集うのがその大学を代表してガチでその競技に臨む「体育会」*2の部員としてである以上、大会に勝ちたくないわけでも勝負がどーでもいいわけでもない。そりゃそうだ。しかし、それぞれが学生である以上、競技生活と、その競技への比重と、学生として修めていくそれぞれの学問と、社会人になるための準備と、プライベートと…1日1年の長さが変えられない以上、限られた時間の中でさまざまな「to do」があり、いろいろな折り合いの中で、競技にかけるボリュームは変わっていく。

それでなくとも、スポーツに取り組んだ大学生が、大学卒業後に競技生活をメインに取り組める場所は(競技にもよるが)だんだん減ってきている。当方が見ている男子バレーボールに於いても、今シーズン、トップリーグであるV・プレミアリーグは、おそらくこの週末からぼちぼち「内定選手」として出場機会もありげな新卒大学生の採用数を抑えてきているように見えた。尤もそれは、休部になったNECブルーロケッツからの移籍選手を各チームがそこそこ確保したという事情もあるのだろうが、それにしても例年より少ない気がする。

大学上位リーグで頂点を争うチームに於いても、学生の半分以上は一般企業に就職したり、教職に就いたり目指したり、といった、一般学生とそう変わらない方向へ進む。世の中の状況に照らして考えると、いくら体育会からの就職は優勢だと言われたところで、やはり実状はかなり厳しい。…となると、スポーツを武器に大学を選ぶ立場の学生にとって大きなポイントは、当該スポーツで実績をあげること以上に、卒業してからの進む道を明確にきめ細やかに追い求めていける場としての大学。今後さらにそういう傾向が強くなってくるのかもしれない。

それぞれの大学を応援する者はそれぞれに思うところがある。有望な選手が集まったら期待する。それぞれが「勝つ」という目標を掲げるが、勝負である以上勝者と敗者は現れる。勝てば喜ぶし負ければ悲しんだり理由を考えたり何かを叩いたりする。するけれども、でも、やはり、その思いを以てしても、それは見ている者の思い入れが一人歩きしているに過ぎない。

だから…大学を応援するのは難しい。「チームそれぞれ」で、終わってしまうから。

「その先」というのは、大学の中の、ある特定の選手に投影されることはあっても、それは大学全体のこととは異なるわけで。

…ねんまつに進路情報をまとめたあと、しょーがつからそんなことを考えていたのだが、どうも「チームそれぞれ」で括ってしまっちゃえるのは大学だけではないようで。見に行く理由|楽しく考える男子バレーのコメント欄を見て、なんとも唸らされた。そりゃ、会社にも、会社の事情があるわけですわな。

*1:「5区はマラソンに繋がるの?」などいい例

*2:大学ごとに呼称は異なるがまぁお察しください