/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

何かが、ひとつ近くに(10/1 B2-3追記)

混戦となった関東大学男子1部。9月におこなわれた7戦を経ての上位4チームは下記の顔ぶれとなっていた。

順位 大学名 勝敗 得S 失S S率
1 東海 6-1 20 05 4.00
2 中央 6-1 20 08 2.50
3 筑波 5-2 16 06 2.67
4 日体 5-2 17 09 1.89

この上位4校のうち、未だ対戦が無かった筑波-中央、東海-日体が、東海大学Bコートで続けておこなわれた。その日の第2試合であった筑波-中央が終了した時点で既に時計は18時をまわり、最後の試合が終了した時点では20時を優に越えていた。

1敗の中央と2敗の筑波。それぞれに踏ん張らなければならない理由があった。中央は東海と併走するにしても、何といってもセット率でのディスアドバンテージがあった*1。東海を勝ち数で上回らなければ優勝には手が届かないくらいの差に見えた。対する筑波は、なんとしても優勝ラインを2敗にもってきたかった。そうすれば3冠目に手が届く可能性が出てくる。
筑波-中央。今季初めて公式戦で対戦したこの2チームの試合では、何よりもそれぞれのチームの目指すバレー、届きたいかたちが、試合の先に見えた。

中央大学 3-2 筑波大学

両チームのスタメンは下記の通り。セットの中で入替えはあったが、各セットのスタートはいずれも下記のメンバーであった。1、3セットは中央から、2、4セットは筑波からのサーブ。ファイナルセットは中央からのサーブである。誰かが強すぎる(ぇ

  • 中央(サーブ先):5高橋 17早坂 13傳田 1千々木 3白岩 4岡村 L11山香
  • 筑波:20前田 1木原 2佐々木 17出耒田 11李 19久原 L7白石/5鈴木

筑波は先週から引き続きリベロ2枚体制。

第1セット 中央25-21筑波

メモに17の数字が並ぶ。何故背番号というのは呼び合うのだろう。それはさておき、序盤から1点を争う緊迫した展開。2点差以上がつかずにいた中、中央17-16からリリーフサーバー#24尾松が登場した。そのサーブが伸びて連続得点を呼び、中央が20-16と一気にリードを広げた。その後筑波が追い上げるも、その一瞬の瞬発力に優った中央が1セットを先取した。

第2セット 筑波25-20中央

序盤から徐々に筑波がリードを広げた。筑波が立体的に組み立ててきた印象があった。攻守共に要所で李がきらりと光っていた。リードを広げられた中央は、12-15で前セットに引き続き尾松を繰り出すがサーブミス。終盤3連続得点で筑波が得点差を広げた。中央はワンポイントブロッカーとして#2横村(ベンチ入りは久々だった)を起用したが実らなかった。最後は出耒田が決め、筑波が1セットを返した。

第3セット 中央25-23筑波

1セットオールになってどちらにも大事な第3セット。筑波は出耒田の打数が増えつつあり、要所で佐々木、そしてMB陣が絡む感じであった。序盤の競り合い6-6から、その佐々木を早坂がブロックするなどして、中央が9-6と抜け出す。筑波は木原を#3衛藤と交代したり、前田のサーブのところで#9矢野を起用して巻き返す。いちどは中央が17-12と5点のリードを広げるが、衛藤のサーブポイント、久原のブロックなどで筑波がじわじわ追い上げ、終盤になって、佐々木が早坂をブロックし、22-22と同点になった。際どいところであったが、中央が傳田のブロックで抜け出すと、最後難しい局面で勝負してきた早坂が決め、中央が一歩抜け出した。緊迫した長いラリーが続き、いずれのチームにとっても、サーブ、ブロックなど、ブレイクにつながるプレイがポイントになってきている気がした。
★F

第4セット 筑波29-27中央

正直なところ、中央が優勝を目指すのであれば、このセットを確実にとって、セット率を上げなければならなかったところだろう。そう思ってみていた。筑波は前セットで交代させたメンバーを元に戻してきていた。ただし、筑波は、中央5-3という早い段階で、セッターを再び矢野に代えている。
一瞬中央がリードしかけて、24-22とマッチポイントも握ったが、筑波がしっかりとついてきていた。何だかんだ言って出耒田が止まらなかった。デュースにもつれこみ、中央が1点リードしては筑波が追いつく、という展開です済んでいたが、中央27-26から筑波は出耒田、久原と連続で決め、最後は李がブロックした。これでフルセットに突入。

第5セット 中央15-9筑波

出耒田と千々木がサイドアウトを取り合ってスタートしたファイナルセット。膠着した展開を一気に動かすきっかけになったのは、4-4からの白岩のプレイだった。ベンチを飛び越えてディグし、ラリーを続けたと思ったら、その後のかなり厳しい体勢を強いられる二段トスを鮮やかに打ち切った。そのあとすぐのサーブミスについてはさておき、このプレイが徐々に中央に火を付けていく。1点ビハインドから早坂が連続して決め、中央8-7でコートチェンジ。
すかさず佐々木が決めて筑波が同点に持ち込んだが、すぐに千々木が*2決め返してリードを広げると、中央はリリーフサーバーに#7渡辺を起用。思い切りの良いサーブから筑波の攻撃を単調とし、出耒田を3枚でとらえた中央が10-8とリードを広げた。筑波はタイムアウトを取るが、その後、白岩が決め、出耒田のスパイクがアウトとなり忽ち4点差。筑波が李の速攻で切り返したが、再び出耒田が決めきれず13-9。傳田がサーブに下がった中央は、その傳田が鮮やかなノータッチエースを左エンドギリギリに決めてマッチポイント、最後は岡村がブロックを決めて、一気に駆け抜けた。
これで、中央が1敗を守った。筑波は3敗となった。

日本体育大学 3-2 東海大学

上位4チームによる総当たりはこの第3試合が最後である。あとは、それぞれがどう戦っても、自力でひっくり返すことは出来ない。中央は1敗を守ったが、セット率では更に重荷を背負ったことになる。そんなことを考えつつ、この試合の第1セットを見ていたら、東海がこれでもかという勢いで走っていた。それがなにかの前兆だったのかどうかは、よくわからなかったが、何故パターンになってしまうのだろう。
隣のコートの試合は早々に終わり、体育館の半分に大人数の観衆がつめかけ、20時を廻ってもなお盛り上がった試合であった。
日体はほんとうによく粘った。結果的に敵も味方も梅野の掌の中、そう相成った。結局、東海は小澤に寄りかからなければ突破できない状況だったのか、それとも…
試合が終わったときについついつぶやいた。

あと3試合

1敗、2敗の3チームの残り試合は下記の通りとなった。これからなにかが動くとしたら、それは、それぞれの目標を達しようとする対戦相手の力によるものなのか、それとも、自チームに、何か変化が生じてしまうのか。
何事もなくと願いつつ、なにかが起こることにドキドキしつつ、あと3試合。

順位 大学名 勝敗 得S 失S S率
1 中央 7-1 23 10 2.30 早士法
2 東海 6-2 22 08 2.75 専明武
3 日体 6-2 20 11 1.82 明順専

*1:それだけ、競った試合を粘り勝ちしていたことの裏返しなのだが

*2:このあたりからじわじわ打数が増えていく。今季のパターン。あと、本気でレシーブ賞くれーと思うほど繋ぎに欠かせない