/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

巻き返しと追い込みと

やっぱり天皇杯ブロックラウンドについては書き切れていない感が微妙に残っている、ということを、こちらで記事を紹介していただいて改めて認識した。
まぁ試合数が多くて進行が早く、その割に見たいチーム数が多すぎて消化不良…というのはいつものパターンなのだが、ことしはそれとはまた別の次元で難しいところがあったなぁ、と。
「どっちを応援するの?」と複数の方に質問をいただき「あ、その時間地下に行ってくるわ」と答えた*1にもかかわらず、結局見ていた試合周辺のことをちょっと補足してみる。心境的にはどちらに入れ込むわけにもいかず、最後方にちょこっと座っていただけだったのさ*2

★F
天皇杯のブロックラウンドは、地区によって微妙に開催時期が異なる。過去4大会に於いて、関東は全ブロックのトリにして大学リーグ終了直後。大学はガチのリーグ戦を戦った直後でチームとしてもカラダがあったまっていて、それに対する、V・チャレンジリーグ勢の場合は開幕まで微妙に期間があって…という図式は、結局ことしも続いてしまったわけである。
ただし、この2チームにとっての「この大会」については、それぞれ別の空気も感じていたわけである。

つくばユナイテッドSun GAIA

当方がつくばを見たのはほんとに久しぶりであった。それこそ3月のカピオ以来。その後新体制になって、セッターに転向した加藤陽一(主将兼監督)が7月のサマーリーグからトスを上げ始め、ヴェルディから吉野が移籍して、デンマークからふたりの高橋が入った。マサこと高橋賢行は9月のサマーリーグ決勝直前に登録され、その春日井で初めて試合に出場した。高橋寛記は夏過ぎ*3からチームに加わり、天皇杯から出場可能か…という話も聞かないではなかったが、諸々の事情で間に合わなかったらしい(だからまだ見てない。記憶に新しいのは2年前の埼玉チームでの国体、2部リーグ終盤とその後の武大との入替戦)。

つくば…というにはけっこう微妙な編成ではあった、国体予選は見た。わたしにはセッターのトスってよくわからないし語れんのだが、それにしても…難しそうな加藤セッターの船出、ではあったような気がしていた。きょうの…そしてこれからV・チャレンジリーグに向けて詰めていくはずのチームは、とかくサイドアタッカーについては豪華やなぁもぅ、である。MASA、YUSEI、そしてWAIDA。大学のシーズンが終わったら、そこにTSUBAKIYAMAも加わるか…とか。遠い目でAコートの大木を眺めながら、じんわりとこのシーズンに心が向かっていくというかなんというか…国体予選では埼玉にいた吉野も初めてこのチームで見たし、うむ…というところで。
同じV・チャレンジリーグにいる富士通は何故か例年この時期に見ると仕上がりが早いチームだなぁと思う。だから天皇杯では毎回成績を残すのかな…と思っていたのだが、ことしは、つくばもけっこう(例年よりは)早めなのかなぁとか(あ、例年が遅すぎるのか)思っていたり。このあたり、ひょっとすると、2010/11シーズンから総当たり2巡となり、開幕からエンジン全開を要するようになったV・チャレンジリーグのレギュレーション変更によるところなのだろうか…それだけでもなさそうだなぁ。うぬ。

中央大学

リーグの1週前に練習試合で見たときは、これけっこう行けるんじゃないのかな…と思っていたのだが、結局、ことしも、見ていてきっつい秋リーグだった。なんか、妙に、世界選手権を戦っていた、先輩さんがよくスタメンで出ているチームと、アタマの中でダブった。だからか、見ていて余計苛立ったし、その感情をどこにどう向けていいかがわからなかった。
どうして勝てないのか、負けるのか、その順位に至るのか、結局、リーグの間にはよくわからなかったし、消化もしきれなかった。いろいろとやりようがあるだろう、と思っていたのだが、結局やりようがあるのが巻き返しのし難い原因だったのかなぁとか。
ただ、去年と違って入替戦がないし、そこの心配をしなくても良いし、この関東ブロックラウンドは、ただただ今年最後の全日本インカレに向けて、巻き返しのきっかけになればよいと思っていた。試合前のアップを見ていて、ひとつ目が丸くなったのは、右の薬指と小指をきちっとテーピングして、あのセッターがトスを上げていたところであった。背番号12。見たのは東日本インカレ以来。

両方のユニフォームが白いんか…と思いつつも勢いで試合開始。

中央大学2-0つくばユナイテッドSun GAIA

25-20 26-24
C)27石井 8千々木 4長山 3辰巳 10白岩 11岡村 L2高橋賢
交代:1S)1山本 14渡辺 21高橋駿 2S)21傳田 1山本
T)9安井 1菊池 18加藤 3和井田 5石川 14高橋 L22吉野
交代:2S)13赤木
★F
序盤は点の取り合い。1試合目にアザレアとフルセットを戦ったつくばのほうが若干あったまっていたのかな、という感。しかし10点前後までは競り合う展開。それぞれにサイドは強烈だが、石川やら岡村やらMBも適度に絡んできた感じ。
第1セットは12-12からの中央の連続得点、殊に白岩の2連続サービスエースあたりから展開が加速した。2本とも際どい(しかも逆)コースを衝いてきて、それで16-12、すかさずタイムアウトを取ったつくばが、こんどは3点連続で返して1点差。マサがライトから鋭く切れ込む。微妙なコースを微妙な位置から切れ込むマサが妙に心に響く*4
その後サイド中央が長山のブロックなどで抜け出し、中央は徐々に点差を広げる。今回のオプション、なのかもしれないが、石井が前衛に廻ってきたところで渡辺投入、ワンブロかと思ったら次のタイミングで…ついに久々の高橋駿。このとき24-20と中央がセットポイント…だったのだが、結局つくばのサーバー・和井田がミスとなったため、トスを上げる機会はなかった。
第2セットも双方に連続得点が入りつつ…の展開。ブロックが効いてきたのが大きいか、というところ。中央が20-16と一旦抜け出すも、その後、中央の2本のミスなどを経てまた1点差に追いすがるつくば。もういちど3点差を付けた中央だったが、其処で千々木のスパイクがアウトとなってつくばが1点返し、更に和井田にボールが集まったところを2つ決めてまた同点に。
千々木、辰巳、そして和井田…と、デュースにもつれてからは両サイドの打ち合いになったが、最後は和井田のスパイクがアウトになって、勝負は決した。
★F
実は思った以上に力の差を感じたわけではなく、リーグの成績はさておき、リーグでいろいろもがいたことが、最終的にほんのちょっとだけ中央が優勢になったきっかけだったのかな…という感がした。逆に、つくばに関しては、今、これだけのコンディションで天皇杯に臨めたということ自体がありがたい気がした。去年の成績を目を閉じて思い出したら…棄権してましたお、去年は。
目標の違う、そしてチームのピークを持って行くべき場所の違う、そして、個人的に見ていくスタンスが違うけれどもどちらもとても大事な試合…それぞれの目標にとって、あとになって思い出して、「あ、ここに何かあったかな…」という試合になったらいいなぁ…という気持ちになった。

*1:そんなことは出来るわけがなかった

*2:そのあたり、微妙なのだがね。応援するスタンスが全然違うチームだったりもするし

*3:確か東西インカレは終わったあとだったと記憶

*4:トスが云々…とは別の話であると思いたい