/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

てれびへの道(2)インカレ開幕から

前回

12月1日。全日本インカレが開幕した。中央大学は、翌12月2日、メイン会場である東京体育館で、緒戦を戦うこととなっていた。

消えない不安と、開かれる道筋と。

緒戦-予選グループ戦の相手は、夏の東西インカレにも出場した関西の強豪チーム・関西学院大学。当方はこの試合をなんとか見たいと思っていたが、調整がつかなかった。

予選グループ戦は3セットマッチで行なわれる。開幕日に行なわれた2試合は、いずれも1時間とかからずに決着がついている。しかし、10時に始まったこの試合の経過は、昼に至っても、流れてこなかった。いきなりフルセットに突入していたのである。しかも、内容も、観戦した方に聞いた限りでは、大会に突入する前の不安が消えるどころか、それがますます大きくなるのを感じさせてしまうもののようではあった。

その夜、決勝トーナメントの抽選が行なわれ、中央大学は第5シードの枠に入ることが決まった。とりあえず、東海大学と準々決勝で当たる可能性はなくなり、主催サイドは大いに安堵したものと思われる。しかし、それでも、あとは己で切り開くしかないのが、このあとの道筋である。

勝負の東京武道館

中央は、その抽選の結果、4回戦(全部勝てばベスト8)までを東京武道館で戦うことになった。大会3日目、決勝トーナメント緒戦は松山大学をストレートで下し、いよいよ「てれび」への最大のヤマ場となる、大会4日目を迎えた。4日目といえば昨年のこの大会、結果的にベスト4に進出した立命館大学に敗れた日である。しかも、ことしもおなじ東京武道館立命館はいないけど)。
4日目の緒戦は京都産業大学。この試合では、戦線に復帰したものの、スターティングメンバーを外れていた長山が第3セットまるまる出場した。また、中盤過ぎ早々に福澤をベンチに下げ(休ませ?)、山本が交代出場したりもしていた。12人固定ではなく、適材適所、全員がチームであり、それぞれがそれぞれを支え合っている光景が見て取れた。…と、中央について見ていてそう思ったのは、もしかすると今シーズン(じゃなくて、もしかして大学バレーを見始めて以来)初めてかもしれない。
京都産業大学にストレート勝ちした中央大学の、4回戦での対戦相手は、2回戦で国士舘大学にフルセットの末勝利し、ここまで勝ち上がってきた宇都宮大学であった。
宇都宮大学といえば…当方が応援するチーム・つくばユナイテッドSun GAIAでも活躍する、エースっつーかスタアっつーか大木貴之を擁するチームである。この全日本インカレでは、プログラムに最高到達点350cmと書かれていて、あな恐ろしや…だったわけである*1。身長は180強というところなのだが。ジャンプ力もそうだが、全体的に非常にバレーの上手いプレーヤーであり、また、チームメイトのチカラを引き出すことにも長けている。
★F
[注:ブロックに飛んでいるのは中央です]
秋リーグではその大木が両足首を負傷するアクシデントがあり、2部5位で入替戦に回って敗れ、来季は3部からの出直しが決まっているが、チームの歯車が噛み合っているときは、筑波を破りそうにもなったし、実際ココには国士舘に勝って上がってきたわけである。いくら中央といえども楽な相手ではなかろう、そう思ったのである。
…このシリーズの本題を無視して宇都宮大学について語りすぎてしまった。こほん。

4回戦:中央大学3-0宇都宮大学

25-19 25-18 25-23
C)4重村→23千々木→11内藤→3渋谷→1福澤→26岡村 L20高橋
(交代出場:13川畑、22明石、17辰巳、5赤名)
U)6高木→12堀込→10大木→11服部→8山崎→7武田 L13久田
(交代出場:4野村、5生澤)

第1セットの立ち上がり、いきなり大木→千々木→大木と強打の応酬。その後宇都宮が堀込のサービスエースなどで一歩抜け出すが、すかさず中央は岡村のブロード、重村のブロックなどで一歩先んじる。前の試合から感じていたことであるが、重村の声が非常によく出ている。いつになく気合いが入っていることが見て取れる。
結局第1セットは中央が優勢のまま推移する。中盤に再び堀込がサービスエース、大木が着実に決め続けて少々追い上げる場面はあったが、中央がリードを保ったまま先取する。
第2セットも10点過ぎから中央が抜け出した。宇都宮は頼みの大木がブロックに捕まってしまった。対角の武田が上手くコースを衝いて一矢報いたりはしたのだが…
★F
第3セットは内藤が大木をシャットして始まったが、その後宇都宮が3連続得点。じわじわとその後もリードを広げ、一時は3点まで差を広げた。
一進一退の試合展開だったが、中央16-18から4連続得点。岡村、千々木の両1年生が立て続けに大木をブロックで止めて一歩リード。宇都宮は23-23に追いつくところまで行き、たまらず中央も1度タイムを取ったが、最後は大木のスパイクがアウトになってそこで試合終了。
中央はこれでベスト8。「てれび」に王手をかけた。

それにつけても、中央には試合終了後にもこれだけの報道陣。緒戦から定点観測しているカメラマンもいるのだが、その画像はどこで日の目を見ることになるのだろうか、とか、今ここ=全国の大学バレーボールチームが、それぞれのインカレを戦うその場所=で、一点だけに見る目が集中されるのもどうなのだろうか、とか、いろいろギモンを挟みたくなるポイントはあった。

決まった!

翌5日はメイン会場の東京体育館で、第4シードの大産大や同じく関西リーグの近畿大を破って勝ち上がってきた中京大との対戦。これに勝てば、いよいよベスト4。
しかし当方は観戦には行けず、現地からの状況をつぶさに伺うことに終始したのである。
昼休みは半分以上電話で速報を聞いていたような状況で、しかもそれを聞き始めた後半から、中京がそのバレーを展開するに至り、接戦にもつれこんでいた。
細かいことはよく憶えていないのだが、とにかく、ベスト4が決まったとたん、カラダのチカラが何故か抜けて、午後シゴトにならなかったのは事実であった。
いよいよ…センターコートである。てれびである。
主催側も、ふたりをフィーチャーしてお祭りしたひとたちも、安堵だろう…ということまで考える余裕がないほどに、こちらもキモチが高揚しつつあったのが、その瞬間であった。
コレ撮った人

(以下次回)

*1:これまでは公称340cm