/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

少しずつフォーラムとかTUV*1構想のまとめ始めておりまする

大会冒頭の松田*1氏の
「大学バレーは、日本のバレーの最後の砦だと思っています」
という一言と、フォーラムの中での都澤*2氏の
「いくら優勝しても、本当の喜びがない。今やっていることが本当にいいことかどうか、もっと可能性がないだろうかと思ってやっている。間違った方向へ進んでいるのであればそれをなんとかしていきたい…」
という言葉が、大会終わってつくばから帰ってからも妙にぐるぐるしている。

(↓以下、ドラフトの域を出ません。脈絡ないのは己のメモを恨め、とo--rz)

日本バレーの問題点・概略

都澤氏:

男子バレーの実業団チームは、ここ10年で13チーム廃部・休部された(運営形態が変わった堺BZは含まず)。女子は、15年のうちに14チーム廃部・休部された(別法人に移管されたユニチカ・ヨーカドーは含む。久光とダイエーはどういう扱いだったっけか…)。
これにより、日本バレーとしての競技力の低下につながっている。実に、男子においてはVリーガーの半分が全日本に呼ばれる状況となっており、全日本の価値が下がっている*3
一方、セリエAは層が厚く、現在A1で14チーム、A2で16チームがしのぎを削っている(外国人枠各4名)。このような層の厚さの違いは、以前の日本と逆転した形となる。日本においては、Vリーグは現在「鎖国」状況になっており、刺激の大きい海外に自己の成長の糸口を…と思った場合には、現在所属するチームを辞めざるを得ないというのが現状である(それは身をもって感じているところでしょう、と話を振られる加藤氏)
強いチームをつくっていくためには、まずは強い日本人をつくっていくことが必要。
まず、TUVがヨーロッパとの架け橋になる。選手個々を海外修行させること等を念頭に置き、挫折させない体制をつくっていく

加藤*4氏:

ヨーロッパのプロと日本のVリーグ選手とは、技術的にも、精神的にも、取り組み方に差がある。海外でプロの厳しさを学んだ。
プロは自分の生活がかかっている。日本の実業団チームのように、「引退して社業に専念」という道はなく、保証もない。
それを考えると、日本の環境には厳しさが欠けるのではないか。

松田氏(司会進行):

その点、契約社会、プロ的精神、ということが深く根付いている社会であるということもいえるのではないだろうか。
現在、日本のバレーは「人が集まらない」状態。もっとも、価値観が多様化した現代では、強いから人が集まる、という時代ではない。サッカーがここまで短期間で人々の心を掴んだのは、「夢が見られる」「ビジョンが見える」ということと無縁ではないだろう。
魅力あるものには人は集まるものである。

環境・空間

*5氏:

「魅力性能」を上げることが重要。
それを好きになる、好かれ続けるという場所、内容。これは、持続するものでないと、やがて廃れてしまう。

加藤氏:

イタリアでは、スポーツ、街並、レストラン等がひとつのセット空間として出来上がっている。

松田氏:

それはまさしく「Art for all」に通じるものだと思う。
翻って、Vリーグを見た場合、Vリーグを通じて「魅力ある空間」は出来ているのだろうか。バレーボールの魅力は100面体くらいあるのに、認知されていないのではないだろうか。

都澤氏:

いい環境をできるだけ選手たちに提供したい。
ただし、いい環境とは必ずしも「プラスばかりの環境」ではない。プラスばかりのみを求めると、結局不満のみ残ってしまう。
マイナスの環境をあえてつくっていく。

松田氏:

環境づくりは空間作りに通じる。
価値観が多様化して右往左往しているなかで、Japanese Styleの創生をはかっていきたい。

イタリアバレーのアイデンティティと、イタリア人の生活の楽しみ方から学ぶもの

ペルージャ写真のスライドを見つつ)

加藤氏:

イタリアでは、地域みんなでスポーツを応援してくれる。週1回の試合のみならず、練習等も、多くの市民が応援してくれる*6

松田氏:

イタリアの選手というのは「生きる力」が強いのではないか。

蓮見*7氏:

イタリアには以前から関心が高い。日産の社内にはイタリア研究会があり、参加していた(イタリアを研究する。会社から予算も出る)
イタリアの風土や文化は、確かに、日本のそれとは異なる。生活を楽しむ力の差があるのかもしれない。
日本の弱いところ、というのは、「一部の人に特化したものの乱立」であり、「総合化されていない」ということにあるのではないだろうかと思う*8普遍の価値=生命力、というものが確立されていないのではないか。
生命力を発揮するためのデザインが弱くなると、ニンゲンを形作るものが弱くなってしまい、結果的に世の中がネガティブ思考が進んでしまう元になるのではないか。
人々が夢を描きあって、それを素直に出し、伝えていく、夢を描き合える社会力が重要ではないかと思う。

松田氏:

それが、TUVのバレーにもつながっていくわけですね…


(→つづく

*1:松田裕雄・東西インカレエグゼクティブプロデューサー

*2:都澤凡夫・筑波大学体育科学系教授/筑波大学男子バレー部監督

*3:少々言葉のマジックはあるような感はする。女子よりも年齢層が高めで、高校生が選ばれるようなこともないので

*4:加藤陽一・プロバレーボール選手:JTサンダーズ

*5:渡和由・筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授。専門は「サイトプラン」

*6:これ起こしながら、以前読んだASIN:416768702Xーンを思い出した

*7:蓮見孝・筑波大学芸術学系教授。日産で長く車のデザインに関わる。専門は車および産業振興・ユニヴァーサルデザイン

*8:特定の個人を過度に祭りage、ということだったのかなぁ