/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

重力に抗う

1ヶ月くらい前に、このブログに設置したV2開幕カウントダウンが、順調に動いてきて、いよいよ「残り5日」となった。尤も、その日に開幕するのは、ホームゲームを開催するサンガイアとその対戦相手である埼玉アザレア*1だけである。各チームはそれぞれの開幕日にあわせて独自のカウントダウンを進めている。

とはいえ、数字がいくら0に近づいてきても、実際に開幕して試合を見るまでは、そして見てからも、ずっと、気をもみ続けるシーズンになるのであろう。

春リーグと東/西日本インカレを全国的に見送り、秋は各学連ごとに、いつもとは違うスタイルで大会を開いたり開けなかったりしている大学界隈も、今は全カレ開催に向けてラストスパートを進めているものと聞く。北海道は2部以下との入れ替えをおこなわない形で1部の総当り5試合を、男女別コート、しかも無観客でおこなっていて、いよいよ来週が最終である。

しかし、その中で、関東1部の代替大会が中止になったという報せを目にして、運営当局も各大学も会場もみんな精一杯対策をして一生懸命動かしていても、それでも難しい状況というのは起こるのだということを、改めて感じざるを得なかった。普段であれば、リーグ戦そのひとつひとつに勝負の意味を持ち、昇格や降格、インカレの出場権、その他、付帯するもろもろを含めておこなわれるところ、その重みを極力外して、それでも、残ってしまうものがあるのだと。

プレイをする者がプレイをするということもそうだが、更に、それを見るということにも、とてつもない重力がかかっているのが今であって、みんな、みんな、重力に抗いながら、前へすすんでいるのだと。まるで、ジャンプするという行為、そのものみたいだな、とも。

いろいろなことが、思いとして、その場に残らないようにと、各方面へ、願うのみではある。

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ちからいっぱいの、ジャンプを。

 

*1:しかも開幕戦のあと1ヶ月くらい間があくのね

V2の全体象

タイトルの誤字は意図的にである。こちらのnoteエントリにあるような内容(故事)を念頭に置きながら書き始めている。

note.com

V2界隈を眺めていると、「それか?」と思うところが多々あるのだが、正しいのかもしれないし誤っているのかもしれないし、それも視点の一部なのかもしれないなという感覚がある。

さきの週末は、こちらの記事執筆にあたっていた。

vbm.link

会見自体は10/2(金)にリモートでおこなわれ、アーカイブがVLEAGUE.TVにて配信されている。当日の出席は叶わず、質疑応答部分を別途記事に起こしている間に、なんかかんやと地団駄を踏んでいた。質疑応答はあくまでも必要とするひとが必要とすることを尋ねる場であり、じゃあ必要とは何であるかというのが、V2を見て考えるうえでの究極的な問いでもある。

V2とV3の全チームが一堂に会するその場所を、矮小に切り取って、2チームの合同会見みたいな見出しで影響在るところに伝える見出しとかどうよと思ったのは、そのほんの氷山の一角。どうしても斯様な場所だと、熱を持って追っている地方のメディアがつよくて、全体のバランスが伝わりにくいなあという悩みを、書きながらずっと持ち続けた。むしろ、ヴォレアス登場前のV2、V3*1というのは、本州の真ん中辺で、普段からバレーを(いろいろな角度から)見ているひとにとってのコンテンツであったという感がある。今でもあるからだ。

前エントリで「V2の半数近くの日程が北海道開催だヒャッハー」と書いたが、これは逆に言うと、随分難しい状況じゃないかこりゃ、という感覚ではある。個人的に、というか、そのいくばくかを書いて残そうとしている者にとっては、心躍り体震える時期にはなるのだが、震えたところで、どのくらいの俯瞰が出来るんだろうなと。

これは今季の目標が出来たのかもしれないな、と思う反面、これだけ北海道開催があるにもかかわらず、北海道で見られないチームがあるらしいぞ、ということには、若干の驚きを禁じえない(一方で、えらく来道が増えたチームもあったみたいだがそれはそれとして)。

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会見本編では大活躍のアザレア石井氏。
昨季(結局)最終戦→今季開幕戦、サンガイア戦たのしみである。

日曜日はこの記事を仕上げて公開作業を終えた足ですすきのへ向かい、急逝したサフィルヴァの油井GMのお別れ会で花を手向けた。訃報を聞いた際、突然のことでことばがなかった、から数週、ちゃんと挨拶ができて何よりであった。確かに、去年の開幕前、同じところで、出発式を迎えていたのだなあと。その場で渡邉前監督がおっしゃった「次はここで祝勝会を」という言葉は(たとえ勝っていてもコロナだったし)実現していないが、そこには歩を進めているチームがたしかに在るのだということを、ここにきて実感するに至っている。フィールドとしてはこのチームと旭川なるヴォレアスのホームゲームがメインになるのだろうが、V2の耳や鼻やお尻やしっぽ、いろいろなところが触れて、言葉にできるように、視野を広げて深みを増していければと思った次第である。

ちなみに、北海道2チーム以外のV2チームの来道予定は下記の通り。なお、11/28-29の札幌は、ヴォレアス-サフィルヴァ2連戦(女子V1と合同開催)である。

あれ、あれ…

*1:違う名前で出てたけど

『いつもとは違うなかでいつもを求める』なのかを。そして何を愛し、何を求めるのかを。

10月になった。

ここ数年、年に100エントリくらいは書きたいなと思っているのだが、どうもことしはそこに届きそうにない。考え込んだり、別の手を動かしたりして*1、文章に至らないことが、ことしは多すぎたし、これからも増えるのかもしれない。

そうはいっても、なんとかVリーグが開幕する月を迎えた。各学連による大学バレーは、今までとは違った形でではあるが、ことしの締めくくりに向け、歩を進め始めた。普段は会場に赴いてあれやこれやという時間を持っているが、今季はなかなかそういう時間を持てずにいる。だが、開幕すれば、徐々に状況は変わってくるのかもしれない。

今は、じわじわと、開幕に向けて、心と体とアシの準備をしている。とはいえ、まだまだ、先月のテレビの前で相撲を見た緊迫とか熱狂を体が覚えていて、そちらの思考にジタバタすることはある。

大相撲は先月27日に秋場所が終わって、大関正代が誕生して、当局やいろいろなメディア、その他もろもろが場所の振り返りをし始めている(当人たちには貴重なオフ期間である)。先週、その中で読んだ文章が、えらく心に響いた。響いた内容というのが、相撲を見るものとしてというよりは、どちらかというと、ことしを過ごすものとして、だったので、そのまま此処に記す。

inspired:

www.jiji.com

「でもね、相撲って、コロナ禍の初頭である3月から、ずっと、いろいろな形を変えながら、どうにかこうにか場所を続けていて*2、その中で出てくる不安や不満や歪みは、続けているからこそ発生するものではないか。と思ったら、勝った負けたって、どこなんだろうな」

最初から最後まで(投げる大関と投げられる大関=同一人物=などを反芻しながら)この文章を読んで、文章を読んだらまず溢れてきた感想がそこだった。負けるかもしれないと思えること自体が……(この文章の締めをどうしようか決まらなかった)。

東京の外に住む者が東京に行くのもままならない状況が続く中(実は2月にカピオに行って以来、一度も県境をまたいでいない)、一時的に千秋楽のチケットを握りしめて*3現地入りを模索できるくらいに、国技館の入りは(制限している以上に)良くなかったという。幸い、一時的におさえたチケットは、公式リセールのおかげで、どこかの誰かが手に入れて、幸せに浸れたようなのだが。懸賞金もあまり多くなかったし、三賞受賞者も絞られた。休場者が多かったし、土俵の内容もよくなかったのかもしれない。

だけどやっぱり、一旦相撲から目線を離して、ある角度から見たら「開催されているし、様子もわかるし、その気になれば現地で見ることもできる」のは、そうじゃない界隈に較べたら、実に羨ましい世界なのである。

play(この場合、競技、演技、演奏、その他いろいろ広義に渡るものを指している)の周りに様々な立場のひとがいる中で、見るという立場の者には、どうしても、当事者がいくら「そんなことはない」と言ったとしても、どうしても、居るべき場所を見出だせない。いくら飾られても、頭を下げられても。playするひとがいちばんそこで止まらないであってほしいから、見守るものは、どうしても。

ずっと続いている「中止」や「縮小」や「非公開」の報せに、「仕方ないです」という言葉とともに、佇んだ。何度となく。

そこを考え直して道筋をつけるのが「新しい様式」なのだろうが、見る立場の者が、その場所をどこかに確保するのか、については、おそらく、Vリーグが無事に開幕したあとも、課題として残り続けるのだろうなとは思っている。今はかろうじて見るものの立つ場所が見つけられそうだとしても、状況は変わるかもしれない。

見られるということ、そこに思いを乗せるということ、これからどうなっていくのであろうか。じっと考え込むのである。

*1:只今inktober開催中

*2:緊急事態宣言下の5月はどうにもならなくて中止になったが

*3:実際に発券できるのは前日なのだが

こんなことは今までなかった

雌伏2ヶ月半とちょっと、9月23日、ようやくV2男子の日程が出た。

今季のV2の日程に関しては、様々な要件が重なって、他カテゴリ(V3もその後日程変更があったが、使う予定だった会場で調整が出来た模様)よりも発表が遅くなってしまった。漏れ聞こえた内容としては、使用する予定だったホームゲームの会場が使えなくなったとか、諸々の難しい状況により、リーグ自体への参戦を見合わせたチームがあり、その関係でほぼ組み直しになったとか、いろいろ。いろいろいろいろあって、もう口許まで宣伝文言が出かかっていた各チームも、発表を待たざるを得ない状況があって、なんとも難しい状況があったのだろうが…

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(拡大すると…じゃなかったクリックするとでっかくなると思います

数年前、ヴォレアス北海道が始動した頃に、「Vリーグはこれから緩やかにホームゲーム開催に切り替えていくので、暫くプレミア(現V1)の地元開催はない…」というような話が出てた。確かヴォレアス始動前の北海道でのVリーグ開催は、2013/14(芦別)で一区切りがついてしまっている。

今季はヴォレアス北海道に加え、サフィルヴァ北海道もV2で戦うこととなり、しかも、思っていたよりもホームゲームが多くなったので、V1じゃないけど、なんと、V2で17週あるうちの8週(って、半数近いじゃないか)、北海道での大会が存在するという、えらいことになった。それでかなり頭を抱えていらっしゃる方は、チームにも、見に行く方にも、いっぱいいらっしゃることは想像に難くない*1が、それでも、まずは、単純に驚いたのである。

バレーボールは、遠くへ出向いていって見に行くもの、ではない、という、恐ろしい状況なのだ。今季は。

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元さん新監督をはよ見たい(しゃしん:2019留萌)

そして、残念ながら、昨季叶わなかった、「サンガイアの北海道初公式戦」が、今季はえらい状況で実現するという。

11月6日、留萌からも(帯広よりは)遠くはない砂川で、サフィルヴァとの試合が、初めての北海道での試合になる。砂川というのはなかなか説明し難いのだが、札幌と旭川の間(ちょっと札幌寄りか)にあって、国道12号線の、長い長い直線のさなかにある街だ。北菓楼の本店がある。そこで、見送ったんだか迎えたのかよくわからない方々を含めた地元のチームと対戦……(というかね、サンガイアが北海道で戦う相手、ヴォレアスとサフィルヴァだけだから、全部アウェーのような気がするのは気の所為なんだが)。

今季をどう過ごすか、どう見るか、というところについては、考えるところも、思うところもある。燃え上がって燃やしようのないところに点きそうなマグマもある。北海道で、何がどう動くのか。こうなったら精一杯ことばにしてみよう、そういう思いがつよくなってきているので、まずは、ひとつの目標にしよう、そう思っているところである。

今季は、何よりも、無事に、スタートの水戸から、ラストの旭川まで、無事に駆け抜けられるように、大会にかかわるすべての方面に、願いを込めつつ、自分も元気で踏ん張っていられればと思っている。あとは雪選手があまり暴れないようにと願う。

*1:だから、何処のせいとか誰がとかではなく、どうしても日程組みに苦慮する状況ではあるのだと邪推した

「どちらかが勝つ」という日々

すっかり相撲を見る日々になっている。毎日シゴトを(終わってないかもしれないが)終わらせ、寄り道せずに帰路につき、帰ったら結びまでの数番をテレビでリアルタイムで見て、食事が終わって落ち着いたらabemaの見逃しを見て、なにかを語り、語らず……という日々を過ごしている。3月頃に、新型コロナでなにも動くものが見られないときに、無観客で相撲が開催されていてテレビで見られるのをきっかけに、徐々に見るようになった…ので、またそれもコロナの功罪というやつなのかもしれない。ただ、ここまで=おそらく人生史上4回目くらいの勢いで=ハマることになるとは思いもよらなかった。

この前書いたが、本場所って(関取には)休みのない15連戦のリーグである。そして、よほどのことがない限り*1、白と黒ははっきりつく。その白黒を塗り分けながら、緊張感の中で、コンディションの波を起こさないように15日を過ごさなければならないということに、今場所ほど思いを致したことはなかったかもしれない。あ、関取には、とさっきカッコ内に書いたが、相撲を取ることこそ毎日ではないにせよ、どの力士にも、いや、それを支える親方や裏方や現地スタッフやメディアにとっても、その日々の張り詰め方は半端じゃないということについても。

暫く「相撲ってその佇まいがいいのだよな」とか「場所の雰囲気に触れていたい」とか「箱推しで」とか。そんなことを言いつつ、意識的に引き気味の焦点で相撲を「気にして」いた自分に、久しぶりにご贔屓の一番というものが発生した。実際に相撲を見るまではやけに張り詰めて(あ、2日ほど、該当しない日があったが)、相撲を見たらえらく大きな息を吐き出して、という日々だった。その傾向は先場所あたりからあったが、今場所さらにつよくなった。

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令和2年9月場所13日目 ○朝乃山(上手投げ)御嶽海

きのうの結び前、朝乃山-正代。テレビの前で、ある極限に達した感がした。

www.youtube.com

この相撲が終わってから、びっくりするほど全身の力が抜けた(現在に至る)。どちらがどうやってもーたとかではなく、結局どちらかが勝ってどちらかが負けるわけであり、それがぶつかって正代がむちゃ強かったということなのだと。唸ったり叫んだりするしかなかった。たっぷりと余韻が残った。

どちらかが勝つとどちらかが負ける。ただ、それでも日々は続く。また次の機会には別の目が出てくるのだと思う。そう思っていたいだけかもしれないが。

そして続いてほしい。それが新しいページを築いていくことになるのだろうと思っている。来場所こそ現地に赴きたいと思い、きょうは千秋楽を見る。

*1:引き分けとか痛み分けとかそういうのはあるというが、少なくとも自分の記憶の中にはない