/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

つくば。行くたびに、目の前の情景と記憶と思い出をかき混ぜる場所で(2)

元号が令和になりました。黒鷲が始まりました。雨は降っていないので、あとで散歩に行くものとして、んむ。

わたくしは粛々と昨日の続きを。元号またがるエントリになっちゃったわ。

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「初めて会ったとき、23と、18でした」

つくばユナイテッドSun GAIAのファン感謝祭。1部と2部の間に若干の時間があいた。2部の会場へ向かうシャトルバスが出るまで、桜総合体育館の会議室が開放され、そこでファンと選手たちの交流タイムが設けられた。選手それぞれにはそれぞれの役割があり、それによって、移動のタイミングは異なる状況ではあったのだが、本格的に移動開始となるまでは、様々な形で交流があった。会議室のホワイトボードでやにわに選手とファンとのお絵かきしりとりが始まって、あのルーキーの意外な(?)おもしろさが出てきたり、とか。

第2部会場までの送迎バスのガイドさんは瀧澤・鈴木という宮城コンビであった。車内でクイズが出題された。問題は「サンガイア初代の背番号7は?」(正解はこちら。このあとどこかで登場する名前でもある)。

第2部の会場には、先乗りしたとおぼしきスーツ姿の選手が既に控えていて、そりゃもうええですねスーツは、である。

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若手トークショーのひとまく

テーブルには、参加したファンそれぞれに、選手からのメッセージの書かれたコースターが置かれていて、参加した者は、そのコースターをさがしてテーブルへ。わたしもコースターに書かれた名前を見つけて、メッセージを読むと、なんだかもう胸が熱くなってしまって、なんども机の上を見つめて読み返した後、ああ君にはもうコースター本来の役割を果たしていただくわけにはいかない…と、鞄の奥にしまい込んだ。

乾杯して、食事をテーブルに運び、口にしていたら、イベントが始まった。まずは、選手によるトークショーである。2018/19シーズン、実に7選手が加入したサンガイア、トークは2グループに分かれ、前半は若手主体、後半は中堅~ベテラン(でもみんな平成生まれじゃのー)がずらっと座った。その司会が浜崎主将と五十嵐コーチ、だった。

実はそこで「うぉー」だった。

いずれも、かつてわたしが参加したファン感謝祭で、チームを去るところを見送ったのだった。はまさんは2015年(今回と同じように、選手全員がスーツで登場した回)にいちどサンガイアを退団した。元さんは翌2016年、現役引退を発表し、引退後は、しばしチームを離れた。元さんには、その3年前のファン感のあとに、少々時間をいただいてお話を伺い、記事を書かせていただいた。

vbm.link

お話を伺ったのは、その間に挨拶に来られた方もいらっしゃったりしてしばしの中断を挟んで1時間以上(もうすでに少々じゃないですね)。その内容をインタビューテクストにまとめたのち、縁の深い方々のコメントをいただきたいと考えた。即座に頭に浮かんだ方がいた。

dhalmel.hatenadiary.jp

はまさんは2015年にサンガイアを退団して、地元に近い大分三好に移籍していた。ちょうど元さんのこの稿と格闘していたさなか、2016年7月のアタマに、大分へ練習見学に伺うことにしていたので、練習のあとにインタビューの時間をいただいた。先に小川監督にお話を伺って(小川監督のコメントも非常に含蓄溢れて濃くて印象に残っている)、そのあとがはまさんだった。大分の、その日からエアコンが稼働したと聞いた割には非常に暑い*1体育館の中で、はまさんが元さんに初めて会ったときのこと(まず、豊田合成でそのキャリアと縁が始まったわけで)からを時系列に伺っていた。ただ、聞き手として、どうしても上手に訊けなかったのが、サンガイアの頃のことだった。どうしても訊けなかったのは、そのときのことは、そのときのこととして、その場でちゃんと消化しなければならなかったのに、聞き手個人の心に何かが残っていたからなのだろう。頭の中でいろいろ廻っていようとも、インタビューという時間は廻っているから、ちゃんと締めなければいけないのだ*2、と、顎からぽたぽた落ちる汗をそこそこに、のちに繰り返し読み返すことになるフレーズを聞いたのだった。

僕ももう、いつまでバレー出来るかわからないですけど、元さんぐらい、いえ、元さんよりも、存在感というか、…元さんって存在感あるじゃないですか!あの人がいると、何かしてくれるんじゃないかなという…そういう人に、なりたいです。

今は、九州と関東、ですが、元さんにはまた会う機会があると思うんですけど、そのときは飲みにでも行きましょう、という感じです。いろいろな話、したいですね。

『つなげたから』 五十嵐元 引退記事(3)談話・ほか | バレーボールマガジン

いつか飲みに行きましょう、という時期があったんだな……ということについて、この夏あたりから、いろいろなところでしみじみ感じ入っていた。2018/19の体制にコーチとしてサンガイアに戻ってきた元さんがいて、はまさんがサンガイアに戻ってきていて、その後キャプテンになって…再び…じゃないよ、延べ4回目だよ、に、同じチームでともにたたかうという状況を、このシーズンを通して、様々なシチュエーションで眩しく眺めていたのだが、今回のトークショー、その司会の掛け合い(というか元さんの真骨頂を見た感はすげぇした)にもうわし目頭が……だった。

まだまだ最近その存在を識って、プレイを見始めたばかりの選手もいっぱいいるサンガイアの、個々の魅力を紡ぎ合わせて、そしてその先へ進んでいくということ。その過程を、このシチュエーションで見られることに、ただただ胸が熱くなりすぎて、ほんと、ことばなんぞどこかへ飛ばしながら、この時間を過ごしていたのだ。トークショーが終わってから、実はこのツイン司会は、かなり間際になって決まったとか、そのあたりのいきさつを耳にして、あら不思議、また目頭が。ふぁ。

(まだつづくんだと思う)

*1:エアコンは故障していた

*2:その移籍は片道だと思っていた。そう思って自分を納得させようとしていた