2010全日本インカレ男子決勝(1)おわりからはじまりを望む
今から約1年前、2010年12月5日。
東京体育館のセンターコートで、この日の夕方から始まった試合のことを、ずっとちゃんと書いておきたいなぁと思っていた。
この試合のもようは当日にCSのJ SPORTSで生中継され、その後も何度か試合単位で放映された。今まで、この録画を何回再生したか憶えていない。理由は多々あるが、おそらく好きなチームや好きな選手が出ているから、ということだけではないだろう。見ると試合自体が面白く、何度見ても、見る度に何か新しい発見がある。
ことしの全日本インカレ開幕前に、あわよくばこの試合の再放送があればと思ったが、今回は無理であったようだ。ということであれば、手持ちの録画を再生しつつ、書いちゃえということにした。
おそらくやけに長いものを何度かに分けて。ちゃんとは書ききれないかもしれないが、少しずつ。
ここまでのあらすじ
全日本インカレの最終日は、バレーボールを観戦する自分にとっては、例年1年で一番長い日となる。
朝10時に男子の3位決定戦が行われ、その後、女子3位決定戦、女子決勝を経て、最終が男子決勝である。
この日は女子3位決定戦以外がいずれもフルセットとなり、女子決勝が終了した時点で、時計が既に17時を回っていた。試合開始は18時ちょっと前ということである。
男子決勝のカードは順天堂大学-中央大学。
順天堂大学は2年連続の決勝進出。前回決勝で敗れた東海大学を準々決勝で破り、準決勝では大阪商業大学を下して勝ち進んだ。2009年大学5冠、この年も全日本インカレ前までの全てのタイトルを総なめにしてきた東海が敗れた、そのインパクトはかなり大きかった。
中央大学は1996年以来14年ぶりの決勝となった。沖監督(当時、現豊田合成トレフェルサ総務)、岩下コーチ(現監督)が1年生の頃以来、ということである。前回は4回戦(勝てばベスト8)で日本体育大学と対戦し、フルセットの激闘の末敗れた。この大会では順調に勝ち進み、準決勝では筑波大学をフルセットの末破った。第5セット途中から一気に突き進んだのが印象的であった。
なお、全日本インカレにおけるこのカードは、前々回・2008年大会の3位決定戦以来である。その試合に出場したメンバーが両チームに残っているが、バレーボールのスタイルは、この頃からは各々大きく変わっていた。
両チームのベンチ入り選手は下記の通り(学年は当時)。ベンチに入らない選手の中には、寄せ書きの入ったユニフォームを着たり、象やビールの被り物を被ったりする者もあった。試合開始前から熱の籠もった応援が繰り広げられていた。
[「あとひとつ」。着ているのは2011年秋リーグで活躍した現#17・早坂]