/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

2枚替えと人心掌握

2枚替えって難しいんだとは常々思っている。セット内で遣える交代枠の2/3を費やすし、3ローテの間で何らかの効果をコート上にもたらす必要があるし、である。機械的に仕掛けても効果は薄いものだという意識は、どこかにある。それでも、セッターのセッターぶりを見られるという意味で、全国さんじゅーまんにん(盛った)の控えセッターマニア垂涎のシチュエーションではあるわけだが。

昨日見た試合、殊にヴォレアス-学生選抜に関しては、書きたいことはそこそこいっぱいあるんだが、その中でも忘れないうちに書き留めておこうと思っていることをここに書いておく。思うところいろいろいろいろ…なんだろうけれど、そこには、ちゃんと、チームの、チームの中での、ひとが大事に活かされている図が、見えてきていたから。

2枚替え、一般的には(いろいろ変形はある。たとえば2014/15のサンガイアにおける「ひとりだけ交代しても2枚替え*1」とか)オポジットがサーブにさがった折に、オポジットと控えセッター、セッターと控えオポジットを2人同時に交代させて、3ローテで前衛後衛が入れ替わったところで戻る、あるいは戻さない、というのを、いう。より一般的な「戻す」の場合、3ローテで何らかの効能が必要になる。そして、オポジットの火力への依存度が高いチームの場合、その短時間に於いても交代のリスクを禁じ得ない、ということにもなる。だから、けっこう、難しいんだとは思っている。

ヴォレアスは2枚替えを仕掛けるなぁと思っていた。思っていただけだったんだが、昨日見ていた、学生選抜との試合で、その効果を最大限に出していたなあとうっとりした場面があったのだ。

第1セットを落とし、第2セットも接戦の中でどう転ぶかわからない状態。終盤、ヴォレアスはセッター中村を野坂に(MBの選手だが、2枚替えの折にはOPとして登場する)、OPの古田を山口に、という2枚替えを仕掛けた。
この2枚替えの面白いところは、ぱっとコートの空気が変わるところ。不思議な切り替わりというか高ぶりというかが現れるところ。早速セッター山口がコートに入るや否や、田城に「ちょっと短くても、いくよー」と合図をして、次のプレーでそのとおりにした。

結局この2枚替えのあとも膠着は続いたのだが、ヴォレアスが接戦を制して1セットオールに持ち込み、大熱戦に突入していったわけである。

まだまだ実戦を見る機会の少ないヴォレアスなのだが、ここまで見た試合を思い出すと、選手個々の遣い方、活かし方、モチベーションの上げ方、非常に気になるなあ、興味深いなあと思うのである。ひとつの2枚替えから、ついついここまで饒舌になってしまうくらいに。
願わくば、チーム本体含めて各所から発信されるものから、そのエッセンスが振りまかれて、ひとりでも多く会場内外での興奮の中にはいっていければいいんだろうなと、やっぱり思ってはいるのである。

*1:所謂はまはまシーズン、浜崎→南でオポジットの浜田がセッターに変身する