/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

倶知安で芝桜を見る


昨日は、いろいろと心は落ち着かないわ、市内はYOSAKOIソーランの喧噪なうだし、キシャに乗って日帰りでどこかに行きたいなぁと思った。
まず、札幌からかなり広範囲に動ける「一日散歩きっぷ」を遣ってみようと考えた。このきっぷは青春18きっぷのように、普通列車や快速列車にのみ乗車可能で、特急に乗るときは別途乗車券が必要なタイプ。ということは、特急を遣わないでどれだけ遠くへ行けるか…がポイントになる。
当初は千歳線で上ってみようかと思ったのだが、このあたりは空港に行くラインがメインになってきてしまっていて、千歳よりも先に普通列車で行けるプランがなかなか立てられない。夕方くらいには札幌に戻りたいと思っていたので、今回は自然と消えた。普通列車のダイヤが充実しているのは優等列車が走っていない区間…ということでアタマに浮かんだのは「山線」だった。札幌から小樽を経由し、山を抜けながら長万部方面へ展開する路線(路線名としては函館本線)である。
「山線」といえば、その中腹あたりにある倶知安は、実は当方が小学生の途中まで住んでいたところであった。その後何度か通過した記憶はあるが、降り立ってじっくり歩いたことはなかった。なんとなくインターネット検索を試みたら、ちょうど芝桜のちょうどいい時期だとも書かれていた。芝桜といえば…滝上とか、(東京にいたころは)秩父とかでも見られると知っていたが、遠くて足が向けられなかった。いろんなことを総括すると(天気は心配ではあったが)ちょうどいいプランじゃないか…と。それで、一路倶知安を目指すことにした。
札幌から倶知安までは、以前は直行する急行や特急が走っていたが、今は必ず小樽での乗り換えが必要になってしまった(このあたりは、以前余市へ向かったときに書いた)。新千歳空港から来た快速電車に札幌から乗り、海を見ながらまずは小樽へ。小樽で若干乗り換えの時間があったので、その間に港の方へ向かってでっかいホタテのバター焼(200円なり)をいただいた。時間があったはずなのにけっこうギリギリになった(*´д`*)

山線は小樽市内を抜けるとすっかり山とトンネルの世界になってしまった。木々とその奥と、倒れている木とその奥で育つ若芽と。じわじわと眺めているうちに、倶知安の1つ前の駅、小沢(こざわ)まで来る。小沢からが案外長くて、トンネルを何度か抜けて、ようやく倶知安に辿り着く。北海道新幹線通過予定ルートである倶知安駅に「新幹線大使」としての日ハム糸井のポスターが貼られていることにも驚いたが、それ以上に、駅前(駅の出口は1方向なので、正確には駅裏)にでっかい体育館ができていることに度肝を抜かれる。メインアリーナとサブアリーナ、2棟続きになっているかなり立派なものである。そのうちそちらの用件で伺うこともあるのかもしれない。
☆F[クトサン川から新体育館を望む]

駅に着いたので、まずは踏切を渡って裏側にある旭ヶ丘公園方面に向かう。旭ヶ丘公園にはジャンプ台が2基あるのだが、そのうち1基はかなりガタが来ているように見えた。小学生当時、ソリにスキー道具を積んで何度登ったか知れないゲレンデもそこにある。実はスキー場にはジャンプ台もあるのが当たり前なのだと思っていた*1
「→芝ざくら」という看板を見て、細い路地を曲がってさらに歩いていく。鳥の鳴き声が心地よい。徐々にピンク色の光景が見えてくる。そして、更に進むと、ピンクの絨毯が拡がってきた。
☆F

しかし、絨毯みたいだと思ったその花は、よくよく見ると、みんなちゃんと桜の顔をしているのだ。
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遠くに見える*2名山・羊蹄山を模した芝桜の山もあった。しかし、肝腎の羊蹄山はとてもシャイなものでして…滞在中、お顔を出すことはなかったのだった。
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倶知安はとても雪の多いところである。6月だというのに、まだ未練を残している雪がいた。
☆F

ひとしきり芝桜を見たら山を下りて、かつて自分が暮らしていた(であろう)あたりを散策した。倶知安も市街地は碁盤の目で「南(北)○条西(東)○丁目」表記なので、なんとなく歩いていたら感覚でわかるし、それ以前にカラダが憶えていた。当時は新しい建物だった福祉センターのそばにSLさんがちゃんといらっしゃった。すっかり古くなってしまった体育館(今は別目的で使用されている)を見て「体育館といえば、こっちだよなぁ…」などと思いながら、さらに歩を進める。

当方が通っていた頃には昭和一桁築、窓から雪が入って来まくりの古い校舎だった小学校は、新しく建て替えられていた。かなり前の話かもしれない。全然違う建物なのに、その当時を思い起こさせる風合いが受け継がれていたのがありがたい。古い校門も健在であったし、白樺の木もお元気であった。運動会前日という風情で、テントなどが設置されていた。

そこを抜けて、気になっていた「豪雪うどん」を買って駅へ戻ったら、次の小樽方面の列車まで小一時間。昼食にはちょっと中途半端な時間になってしまっていたので、ちょっとお茶でもということにする。駅前にずっとある(けど最近いろいろ斬新な)藤井菓子舗でお菓子を買って(シュークリームは、かためのシューに、注文ベースでクリームを入れてくれる)、藤井さんで買ったお菓子を持ち込み可な隣のカフェ「スプラウト」でソイラテ共々いただく。一息ついたところでふと覗いた東日本の組み合わせを見て一瞬ナニカが沸き立ったが、それはそれ…

駅に戻ると既に改札が始まっていた。高校生の大移動と被って、高校生たちが乗った満員の列車と逆側に止まっていた列車に乗った。対岸の列車が先に発車して「あれ?」と思った…小樽方面に乗ったつもりが、逆方向だった…
いくら山線が「一日散歩きっぷ」で行き来できるくらいの本数があるといっても、そもそも本数が少ない。間違えて乗ってしまった列車をどこで降りて、次を待てばよいのか。鞄に入れてあった薄い時刻表が活躍した。同じ時刻ですれ違う(そもそも単線だし)のは蘭越。ただ、相方がこちらの列車が来てすぐ発車かもしれない。とすると、その手前…
ニセコで降りた。迎えのバスや車が多々いた。くつろげる空間の香りがした。小樽方向へ向かう次の列車が来るまで1時間弱あることがわかった。駅を出たらすぐのところに温泉があったので、しばし身をふやかした。気持ち良かった。ついつい定番としてお風呂上がりに牛乳などと。
☆F[おされなニセコ駅舎]
無事に列車に乗ってあとは一路、小樽を経て札幌へ。札幌駅に戻ったら、まだまだ祭りの余韻が響いていた。まさか1本乗る列車が遅れて遅くの帰着になって、その時間にもバレーが続いているとは思わなかった。青い全日本、ちょとだけ見た。
一日散歩きっぷ」は、半日強の行程でもかなりお得感があったが、こんどはもうちょっと早く家を出て、別なコースを模索してみようかな、とか、もうちょっとゆっくり倶知安に行ってみようかな*3、とか、ソフトクリームたべたいなぁ、とか。

→こちらにまとめた。201206 Kutchan | Flickr

*1:それは、ニセコなど、ちょっと遠くにスキーに行くようになって、すぐ違うとわかったのだが

*2:近くに見えるのはニセコ連峰

*3:尻別川方面のサイクリングなどいいなぁ