/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

ドリームフォーラムとかTUVとかまとめ(2)

昨日書いた分の続き。

「強い日本人→強い日本のバレー」の創生へ

都澤氏:

今の選手は、合理的に説明しないと納得しない。気合と根性で通用するのは、自分*1か、その少し下の世代までで終わり。
モチベーションを高く持ちやすい環境が重要。
ハードは拡充すれどソフトが伴っていない現状、やれることはいくらでもあるのでは。

加藤氏:

(イタリアで選手生活を過ごして実感)選手を目指すものにとって、ユニフォームを着ることが出来るのがひとつのステータスとなる。
選手という存在を誇りに思うシンボルとなる。
「全日本に入るのが目標」というような存在にならないといけない。

松田氏:

要するに、現在の日本のバレーはぬ る い
これと決めたことをどうやってやり遂げるか、という力が弱まっている。
ex.東西インカレの運営に携わる筑波大生を募った*2が、途中で離脱する者が少なくなかった。
バレー界においても、「人間力」の低下が戦力の低下につながっている。
TUVは「チーム」というくくりではなくもっと大きい意味での「クラブ」である。
スポーツの社会進出への新しい可能性を多角的に開拓、実践するような知的集積地を目指す。これを街の中へ、ひいては茨城県に、日本へ広げていく(全日本へ強い選手を送り出す、この地から世界へ人材を送り込む、総理大臣も出しちゃう…のようなイメージ)。

「強い」につながる街づくり

蓮見氏:

(スポーツを中心にすえた街づくりのイメージスライドを見つつ)
スポーツ、アート、居住地が融合した街づくりが、「健康な街」には非常に重要な要素(イタリアってそんな感じでしょう…と振られて加藤氏にっこりうなずく)。
そこに住むと健康になれる、という健康なまちづくりを指向していく。
実は日本には「歩きやすい」街が多いのだが、つくば、およびつくば以降に誕生した新しい都市においては、車中心の生活が基本になってしまうところ多い。
実は、つくばの街は、普段人が行き来していないのでちょっと怖い。人が街に出ることによって、街に安心感が生まれる。
(ここでスライドを交えた渡氏のパートが始まるところだったのだが、PC不調。その際に先に客席に質問を振った…ところ、少々質問者の独演会が入り、結果としてかなり脱線し、時間が押してしまった。以下少々その回答からのエッセンス)。

都澤氏:

実業団のバレーチームが多く廃部になったことからも伺えるように、現在はスポンサーが上にいる時代ではない。まずクラブがあって、そのクラブがクラブの理念を以ってスポンサーを募る…というのが安定する。
現在の体制では、学校もクラブも中途半端になってしまっている。「プロ」のノウハウを持った指導者が不足している*3
本来、クラブで指導にあたるのは、チームから選ばれた「プロ」の指導者であるべき。
現在は「五無主義」の時代といわれているが、そんな中で「人を思いやる」「弱いものいじめをしない」「ルールを守る」ことの大切さを満遍なく伝えられるのはスポーツ以外にない。体育でもそれは無理である

街のチカラ、バレーボールのチカラ

渡氏:

(サイトプラン:ようやくスライドのスタンバイOK)
ex1.住宅に囲まれた写真(確かアメリカ)。
日本以外でも公園は少々危険な場所。公園にとっても、住宅にとっても益になる配置である。
ex2.スポーツを俯瞰できる住居
窓からプールが見える。そのプールには一流選手もやってきて、指導をすることも。
ex3.スポーツを見られる空間と、程近い語らいのスペース
筑波研究学園都市も30年に至り、公園等の見直しの時期に入っている。
日本全国で街づくりのうまくいっているところを調べていくと、下記3つの要素が備わっていることがわかった。
1.リゾーム(根っこ)
街は装置ではない。枝葉の拡張にこだわるのではなく、根っこを重要視する必要がある。
つくばは学園都市であり、学生力、という根っこがある。
2.ノマド(応援団)
街の力を「鼓舞」する応援団の存在が重要。
ex.北海道の江差町は、普段は寂しげな港町であるが、お祭りとなると実に人口の10倍の「応援団」が集まる*4
3.賑わい(街の活用力)
実は、街に人影がないのは少々やばい。街の力の根本的な問題になる。
みんなでお出掛けして賑わう場所の支援(=イベントプロデュース)。

松田氏:

実は、「バレーボール」は、「シンボルスポーツ」に適している。
かつて、紡績業各社が女工さんの士気を上げる為に競ってバレーボール部を持ち、バレーボールを通じて社内の士気を盛り上げたのは好例。現代においても、形を替え、地域力、一体力を高めていくシンボルとなりうるのではないか。
TUVの理念「人のため、社会のため、次世代のため」にも通じる
実は昨日(第1日)約4500名の入場者があったが、その多くはバレーボールを知らない人である。つくばにおけるバレーボールの火付け役にも一役買っているかも。

都澤氏:

「大学生のVリーグ参画可能」以来、TUVを巡る報道について少々本当のところが伝わっていない感あり。
大学がプロチームを作るのではない。つくばのTUVがプロに参画するのである
大学生もV1、地域リーグに参加できるように協会の規定を改正してくれたのを受け、
来年1月から始まる地域リーグに、TUVとして筑波OB、現役選手によるチームで臨む。
現在は、チームの運営をどのようにするかを詰める最終段階である。法人格をどうするか等、あと1〜2ヶ月で詰めていく。

松田氏:

次の世代に向けては、「楽しさ」と「厳しさ」をどう教えていくかが課題。
TUVのいろいろな活動のスライド)
ex1.TUVジュニアユースの選手(=中学生)は、練習終了後、「1人家庭教師」として、大学生(=筑波のバレー部員)に勉強を見てもらうというようなこともしている(尤も、英検の勉強などでは、立場が逆転することもあるらしい)。
ex2.TUVジュニアユースの選手は大学生と一緒に練習、一流選手のスパイクを時には顔面で受けたりもして、その力を体感する。
ex3.TUV主催のママさんバレー教室には、年100人ほど集まる。各ママさんのクラブを担当する部員がいる。つながりは強く、今回わざわざママさん宅に泊まるVリーガーもいたほどである。
ex4.社会人チームの大会「ひまCup」を開催している。名前は「ひま」だが、実際は忙しい社会人が寸暇を惜しんでバレーに賭けて来る大会である。
筑波大もBチームを送り込むが優勝したことはない。社会人パワー恐るべし。
ex5.女子の国際交流試合も開催。女子の指導者拡充は課題。きちんとした指導を受けている層と、指導を受けていない層の二極化。

…最後のほうはキーワードの羅列ばかりでメモになっていないo--rz

*1:都澤監督は1949年生まれ

*2:当日、100人以上現地で活躍したスタッフは、筑波の学生が中心

*3:加藤氏は、中学時にバレーを始めたときは、数学の先生が顧問だった、本格的に指導を受けられたのは高校に入ってから、と振り返る。そういえば、実質大学デビューの日本の元エースもいましたですの

*4:http://www.hakodate.or.jp/oiwake/ ←これっぽいですな