/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

「集約」すると何が起こるのか?

reference:「男子バレーボールをどうにかする」方法って、何処にあるの? - Togetter←祝とぅぎゃったー100000まとめ突破
2/11の早稲田で行なわれた会合において、当方と同様に一般参加されていた方からの提言(?)が気にかかり、ふとついったーでつぶやいた…ところから拡がった話をまとめた。まとめとはいえ、「集約」を謳うところから、逆に「拡散」したような気もまたするが、それも流れということで。

この「集約」について考えたのは、実は初めてではない。2年前くらいの今頃の時期に、似たようなことを考えていったことがあった。この調子で国内のトップリーグに参画するチームが減っていったら、そこに所属するメンバーをベースに代表チームを選ぶことが出来なくなるのではないか。トップリーグ自体がなくなるか、縮小されるケースも出てくるのではないか。別の競技にあるように、国内のチームだけではトップリーグが成り立たなくなるケースも考え得るのではないか。そうなった場合、代表チームに入る選手はトップリーグとは別のカタチで公募され、NTC(仮)で集中的に合宿され、それで国際試合に送り込まれるような未来が考えられるのではないか…というようなことを、とりとめもなく考えたことがあった。勿論、思考を拡げる中で、いくつも疑問点は浮かんだ。主にお金のことについて。

togetterでついーとをまとめる中で、4年前に出会ったキーワード「富士山方式」について、もう一度考えを巡らせる機会を得た。自分の心の中の100%がGoGoというわけではないが、男子バレーについては、ある程度、「富士山方式」を「もっと徹底して進めなければならない」のかもしれない、という仮説を立てた。「徹底させた富士山方式」について、自分の心の中に反発が全くないわけではないが、もしかすると、もう、しょうがないのではないか、という思いがある。
だって、様々な負の循環が積み重なっている現状を、何も変えずに打破しようとしても、それだけで10年はかかるのではないか、そして、打破が出来るかどうかも怪しいといっている間に、もっともっと小さくなって、何も手が打てなくなるのではないか…と。
以下、考えたことの方向性をざっくりとしたメモに起こしておいてみる。

現在、国内の男子バレーボールにおいて、ざっくりと把握している問題点の方向性

  1. 代表チームが世界を舞台に成果を上げられていない
  2. 国内リーグが活発に集客出来ていない
  3. 競技人口を拡げられない、プレイを出来る環境が少ない

繋がっているような話もあるが、徐々に切り離してもみる。

上記解決のために考えられる施策の方向性

これは、いちファンとして「欲しいもの」とは切り離す必要がありそう。重なる部分はあるが、「欲しいもの」のイメージに囚われていると、把握出来るものも出来なくなってしまいそう。
ここのところ、さまざまな場所でのディスカッションを経て、「ファンを増やす」施策と「競技者を増やす」施策は、まったくリンクしていないことに、改めて気づかされた。例えば「テレビの中継をきっかけに、バレーボールのプレイを始める選手って、どのくらいいるの?」というような話。寂しいことではあるが、観戦を主とするファンが目を輝かせて語りたいことと、プレイヤーに届いたらたのしいこととは、別であると考えるのが妥当であるようだ。
では(ファンの思惑はさておき)底辺が拡がって、競技者が増えたら、国内のトップリーグや代表チームの人材確保は現状よりもやりやすくなるのだろうか。分母が1000から10000に増えたら、人材を確保できる確率は10倍になるのだろうか。
現在、小中高などの育成世代におけるトップレベルの選手(それこそ春高に出てくるとか勝ち上がるとかの)にとっても、その先にあるV・プレミアリーグは「目標」ととらえられないような状況であるというが、育成世代の競技人口が10倍に増えたら解決する問題なのだろうか。
そもそも少子化で学生の人数が減っている状況であることに加え、殊に男子の場合、野球、サッカー、バスケットボール…等、他に選ばれうる競技も少なからずあるわけで。

「代表」戦力充実のために必要な方向性

競技人口を増やすことは、パイの大きさを拡げる上でも、競技それ自体の活気を増す上でも大事なことなのだろうと思うが、その中でも、競技への「入口」を増やすこと、複数の「入口」から競技に入ったならば、どの「入口」からでも「ひととおりのプレイが出来るように」なり、その技量を上げていけるようなしくみが必要になってくる、と考える。
具体的には、高校から、あるいはそれ以降にバレーボールに触れ始めるひとを、如何にバレーボール選手として育てていくか、ということになるのだろう。今、高校とか大学とかその先のクラブとかで、どの程度対応できるのだろうか。「経験は少ないけど長身で逸材」とされる人がバレーと縁を得たとして、そのひとをチーム単位で育成出来ることであれば良いのだが、細かいスパンでの勝利を目的とするチームの方向性と合わないとか、そもそも上記のような条件で誰かを育てるノウハウがないとかという状況も在りうるわけで、そうなった場合はいったいどうするのがいいのだろう。「何らかのカタチで、協会が主導して集約して集中的に(ただし徹底的に)」という方向性はあるのかな…などと考えるところはある。
現に、国内で戦う全ての選手にとっての目標が、代表に入って国際試合へ、ということではないのだろうし。国際試合に通用するチームをつくる、ということと、国内試合を盛り上げる、ということを、繋がったものとして考えなければと思うから、どちらにも足かせができてしまう…のかもしれない。
勿論、「富士山方式徹底版」を実行に移したとすれば「Uchiが育てた選手」への思い入れ、的な繋がりは薄らぐし、ファンの立場からはなんともいえない気持ちは残るだろうが、前述の通り、またまともな循環をつくるための種まきをする必要があるのだとすれば、ここはぐっとこらえなきゃならんのか…もしれん。

ツッコミどころ多数

ツッコミどころはいっぱいある。書きながら、自分で自分にツッコミを入れている。無茶なことを書いているとも思う。無茶なことでありながら、ギョーカイに対して何の益ももたらさないのかもしれない。現時点ではあくまでも思考実験の域を出ていない。
これを綺麗にまとめられれば論文とか記事とか提言とかの体をなすのだろう。まとまらないことのほうが多いのが現状であるし、書きながら自分のカラダを突き刺している事象も多々あるのだが、それでも「ある思考の記録」として残しておく意味は0%じゃないのだろうな…と、ここに書き留めておくことにする。

先日まとめたツイートのうち、かなり強烈に心を揺さぶられたものを改めて紹介して、この記事を〆る。

どのみち、現状でも国際大会のあとに「○○選手はVリーグの△チームで活躍するのでVリーグを見に来てね!」みたいな、明確なリンク先を示すことすらしてないわけだしね(毒)。