/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

第24回ビーチバレージャパン(2010/8/14)

相当久々に江ノ島に行った。
ビーチバレーには3年くらい前から行きたい行きたいと思ってはいたのだが、日程的になかなかチャンスが無かったのと、夏は暑くてとろけそうなので足が向かなかったのとで、なかなか実現しなかった。
twitter経由で前夜祭の写真を見て、金曜日に本戦の結果をビーチバレースタイルで追って、段々気になってきたので、思い切って足を伸ばしてみることにした。
土曜日の朝、よくわからんままに江ノ島に向かい、いろいろな試合を観て帰ってきた。1日じゅう風が強くはあったが、終始曇り空で、日差しはこの時期にしてはきつくなかったので、観戦する側としては助かった。

ビーチの最寄駅である鵠沼海岸駅に着いたら10時過ぎ。改札を出たところに案内所があり、そこで、本日の組み合わせ表、マッチスケジュールとビーチまでの道順が書かれた地図をいただく。
試合開始から既に1時間余。ビーチバレーの試合時間をまったく把握していなかったのだが、この分だと、おそらく第1試合は終わってしまっていて、第2試合が観られるかどうか…というタイミングであろう。駅から、とにかく何も考えずにまずビーチを目指してみた。海岸に、いくつもいくつもバレーコートが並んでいる光景。遠い記憶にはあるのだが、まだまだピンと来ない。スタンド(入場は有料)らしきものは見えてきたのだが、そのスタンドの手前でも試合が行なわれているように見えた。
手許にある、さっき貰ったマッチスケジュールを見ると、きょうの試合は4コート展開で行なわれていて、スタンドがあるのがAコート、その手前にあるのがB-Dコートということである。B-Dコートの試合を観るだけであれば、スタンドのチケットを買わなくとも愉しめる。
トーナメント表は一本道ではなく、敗者復活のしくみもきめ細かく盛り込まれているので、ひとつのペアが1日に3試合、というようなこともよくある。マッチスケジュールには、たとえば「47:勝者29-勝者30」と書かれている。29とか30とかいうのは、試合に振られた番号である。遡ってみると、「29:勝者9-勝者10」とある。手許の紙には番号しか書かれていないが、そうやって紐解いていくと、だいたい組み合わせを把握していくことが出来る。
果たして。この#47こそ、まずお楽しみにしていた長谷川対決だった。間に合った。Cコートは砂浜をずんずん進んでいって奥の方に位置する。こういうときにこそ海に来たというのを実感。

[3回戦]井上真弥/長谷川徳海 2-0 長谷川翔/畑辺純希

21-18 21-13
…と言っても、この試合を観られたのは残り5点くらいだったのだが…。
双方ともシード組ではあるのだが、現時点で力の差が在るんだろうかなどと。どちらのペアもその後見ることが出来たので、詳細は追って書く。

この試合を見終わったところで一段落。正面に張られている、名前の書かれた組み合わせ表を確認したり、スタンドから聞こえるDJの声を聞いたり、売店でプログラム(300円だった)を捜したりした。ビーチに隣接した建物にある自販機のジュースは高い(ペットボトル200円!)ので、駅に戻って一通り飲み物などを買って戻ってきた。
再度組み合わせ表を確認する。…おっ!!!!これは!!!!スタンド行こう〜(テンションがあがった

第3試合はスタンドともう1コートで女子の試合が行なわれていた。チケットを買って*1スタンドに入り、行なわれている試合を見ていた。女子の敗者復活戦(敗者が7位決定)、駒田/菅山-幅口/山田。しかし見ていると、そこから見えるCコートでアップを行なう面々が妙に気になり始めてしまった。片方のペアは、さっき敗れていた長谷川/畑辺だし、もう一方はなんだか「必勝」はちまきつけてテンション高いし…

…で。

[9位決定戦]長谷川翔/畑辺純希 2-0 伊藤達也/佐々木宣宏

21-9 23-21
はちまきペアは富山代表であるとtwitterで教えてくださった方があった。どちらのタイミングが早いか忘れたが、あああれ伊藤ってデルフィーノにいた…?とわたしも思ったところだった。伊藤は小柄で坊主頭、佐々木は長身で細身。そして双方サングラスにはちまきでハイテンション。どこかコミックに出てきそうな取り合わせのペアで、見ていてとても心を惹かれたのだが、地力と言うことでいえば、推薦組の長谷川/畑辺ペアに一日の長があったのだろう。
長谷川/畑辺というのはバランスの取れた組み合わせなのだろうと思う。畑辺は実は初めて見たのだが、パワーのある強打がいい。高校時代鎮西で活躍し、福岡大2年でビーチに転向したのだそうである。長谷川は国士舘にいた折にインドアで見ていた以来。テクニシャンぶりは健在である*2。第1セットを大差でぶっちぎり、第2セットも途中までリードを保っていたのだが、終盤になって長谷川/畑辺ペアにミスが目立つようになる。風も強くなってきて、かなり予期せぬボールの動きも出てきたのかもしれないが…
確か15-10くらいの展開から伊藤/佐々木ペアが追い上げてきて、ついに20-20、タイブレーク*3にもつれ込んだ。最後は(確か)畑辺が決めて試合が終了したが、この試合終盤の盛り上がりは非常にたのしいものであった。勝者はもう1試合。敗者は9位決定。

[9位決定戦]濱口康司/木村雄一 2-0 中川一/吉田英樹

21-12 21-15
この試合を見に、スタンドに戻った。愛媛代表と愛知代表の対決、DJ氏はだいぶ溜めて「…LOVEです」と呟いた。
はじめちゃんさんは2007/08のチャレンジリーグ以来で見るし氏の本拠であるビーチで見るのは初めてだなぁとしみじみしたり、愛媛ペアの試合の進め方がとても堅実だとうっとりしたり、その愛媛ペアは徹底的に中川にトスを上げさせて吉田に打たせる手法を取るんだなぁと思ったり、その吉田が思いっきり打つと非常にシャープでうつくしいなぁと思ったり。
これだけ大差がついてしまったのは、第1セットは中盤以降に愛知のミスが連続で起こってしまったからであった。風だとかボールだとかいろいろ要素はあるのだろうが、結局ミスが起こるといかんともし難いというのはビーチもそうなんだろうなぁ、そして、流れが一気に行ってしまうので、時として残酷なことになるんだなぁと思った。
第2セットは最初愛知ペアがリードしていた。しかしじわじわ愛媛も追い上げる。そして愛知14-13のところで、ボールを追った中川が、追った先のコートサイドで倒れて動けない。
このとき初めて知ったのだが、負傷者が発生したとき、各ペアは、治療のために5分のインターバルを申請することが可能なルールとなっている。中川は3分過ぎのところで起き上がり、至近のベンチ(ビーチパラソル完備)に座って笑顔を見せた。
だいじょうぶ…と試合は再開したのだが、そこからは一気に愛媛が走った。

[7位決定戦]青木晋平/日高裕次郎 2-0 長谷川翔/畑辺純希

21-13 21-14
あ、そういえば日高をまだ見てないなぁと思ったら、さっきの試合が中断した折に、ふと遠くに視線を伸ばしたら、そのコートに見かけた。終わってからこの試合をちょこっと見た。実は青木/日高ペアは推薦ではなく神奈川第1代表なんだなぁと。
次の試合はもっとじっくり見られるかなぁ…と思いつつスタンドへ戻ってみる。この試合で長谷川/畑辺ペアは7位決定。面白かったのでまた見たい。

[女子2回戦]尾崎睦/金田浩世 2-1 浅尾美和/草野歩

20-22 21-16 15-13
スタンドは、前に行なわれていた試合の第2セットあたりから人が徐々に戻ってきて、かなり埋まっていた。一度下に降りて戻ってきたので、ギリギリ座れた。
去年は尾崎/草野ペアだったんだよなぁとかあらまぁ実はこの試合、4人とも同い年じゃないかとか、草野のジャンプサーブってもっと風がなかったらどうなんだろうとか、いろいろなことを考えながら、実はただただDJのコールに流されてみた。
それまで男子の試合を主に見ていたせいか、女子の試合で長く続くラリーが新鮮だった。第1セットは引き続く攻防の末浅尾/草野が先制したが、第2セットは徐々に尾崎/金田ペアのペース、という感。次に見たい試合があったので、第2セット終了時にスタンドを離れた。最終結果はDJの放送が流れてきて知り、同時に、第3セットは15点であることも知った。尾崎/金田ペアは準決勝進出決定。浅尾/草野ペアは敗者復活戦に回ったが、ここで勝って、同じく準決勝進出を決めた。

[4回戦]井上真弥/長谷川徳海 2-0 西村晃一/仲矢靖央

21-15 21-13
風が非常に強い。
強い風が吹き続ける中、井上/長谷川ペアが、そのテンションを高めて雰囲気を上げて観る者も味方につけて圧勝した。
…つーかかなり惹かれた。ようやく観られたし、観ているとだんだん嬉しくなってくるし、楽しくなってくるし。なんか叫びたくなった。文字で書くよりもいちど目で見て、と書きたいところだが、残念ながら写真は撮れていない。あ、今晩、テレビ東京で放映が!ある!
西村/仲矢ペアは後半かなり見ていて辛い雰囲気になっていたなぁ。それは何故だろう。盛り上げるとか態勢を立て直すとかが非常に難しくなるほど、相手がイケイケだったから、だけなのかなぁ。後半、妙に重かった。
井上/長谷川ペアはこれでベスト4決定、西村/仲矢ペアはその後5位決定戦に進み、先ほどメインコートで勝った後7位決定戦も制した愛媛の濱口/木村組に勝った。こちらもベスト4に進出した。

[4回戦]朝日健太郎/白鳥勝浩 2-1 畑信也/今井啓介

19-21 21-13 15-11
国内最強とおぼしき朝日/白鳥ペアも、今回は朝日が故障明けで久々の実戦であったと知る。2人で戦うビーチバレー、個々の選手のコンディション作りも細心の注意を払いつつ、なのだろうなと想像する。
スタンドの外で聞いた実況が、その朝日/白鳥ペア大幅リードと聞こえたので、あらそうなのか…と一瞬思ったのだが、いざスタンドに入ってみて、状況が違うことに驚く。挑戦者側?の畑/今井ペアが15-13とリード。
それにしてもこの対戦。いざスタンドに入って見た第一声が「このひとたちでかすぎる」だったわけで。これまでにあまり見なかった空中での攻防も多々見られた試合であった。朝日199cmで今井196cmともなると、パースは容易に破壊される。
第1セットを畑/今井ペアが踏ん張って取って、これは面白くなるかなと思ったが、第2セットはビーチで積み重ねた経験とプレイの精度の差が出たのか、朝日/白鳥ペアが一気に攻める。
ファイナルセットもそのままかと思ったが、1点を争う展開のまま10点くらいまで進んだ。最後は大事なところでミスが出た畑/今井ペアに対し、着実に試合を進めた朝日/白鳥ペアが勝利。やはりこのペア、流れているものがひと味違うなぁと唸るの半分、畑/今井ペアは大魚を逸したなぁと溜息をつくの半分。
朝日/白鳥ペアはこれでベスト4決定。畑/今井ペアはさきほど見た青木/日高ペアと5位決定戦を戦う。これを見て帰ることにした。

[5位決定戦]青木晋平/日高裕次郎 2-0 畑信也/今井啓介

21-12 21-17
既に、スタンドでの4回戦進行を横目にアップを続けていた青木/日高ペアだったが、4回戦を見終わってスタンドを出た当方などがBコート側に陣取ったとき、敗れた畑/今井ペアは、まだそこには居なかった。ユニフォームを着替えてコートサイドに戻ってきたこのペアは、速攻で栄養補給などを済ませ、いざコートへと向かった。もう始まるの、というのと、そろそろ観るほうの肉体的限界も、というのが、微妙にあいまっていた。
青木/日高ペアは、この試合のユニフォームは水色*4。大きい横ストライプが入ったボトム*5とのバランスがいい。
試合が始まった。ちょっと雨がぱらついてきた。それにしても、最強ペアとの熱戦を終えたばかりの畑/今井ペアにとっては、インターバルが短すぎたのかもしれない。第1セットは青木/日高ペアのワンサイド展開で終了する。
そして、第2セットが始まらない。今井が足をつったらしく、ベンチ前に横たわってマッサージを受けている。パートナーの畑もマッサージをしていた。既にこの時点で「5分」を遣っていたようだ。ギリギリまで時間を遣ってコートに入って第2セット開始。
既に畑/今井ペアは普通に機能出来る状態ではなかったが、今井が最低限軸になって、そこから畑がトリッキーなプレイを見せたり、サーブで崩したり、いろいろなことをしながら、実は第2セットの中盤までは畑/今井ペアが押していた。ギャラリーも口々に「このセットあっち(畑/今井)が取っちゃったらどうするんだろう」と言っていたりした。しかし、そこから青木/日高ペアが追い上げていた。
試合は唐突に終わった。青木/日高17-17畑/今井から、今井が久々に(?)ジャンプしての強打を青木がブロックした。そのプレイの直後、今井が動けなくなった。何度か兆候はあったが…。試合終了が告げられて、その後担架がやってきたようである。
このような場合、

得点は、不完全なチームにはそれでまで獲得したポイントが生かされ、相手チームには勝者となるために必要なポイント(1・2セット目は21点、3セット目は15点)、及びセット(2セット)が与えられる。

Webページが見つかりません|日本ビーチバレーボール連盟(JBV)

ということなので、第2セットは21-17という決着をみたということになっている。

スタンドでは女子の試合が続いていたが、流石にいろいろと疲労困憊であったため、当方ここで鵠沼をあとにした。長いような短いような素敵な光合成タイムであった。以上、普段ビーチを観ない者の戯言と流していただければ幸い。海はどアウェーなのだが、また観たいなぁ。

*1:チケットを買うと、腕に緑色のバンドを着けてくれる。スタンドに入るときにはこれを見せれば良い。半券をいちいち出さずに済むので有り難い

*2:テクニシャンといえば、コートサイドで石川も見たなぁ

*3:ビーチバレーの場合はデュースとは言わないらしい

*4:もう一方が白

*5:しましまパンツと呼んではいけない