ばらまいておきたいのだ
- あのわたしもあのわたしで、
- そのわたしもそのわたしで、
- きっとあのときのわたしはあのときのわたしだった。
それぞれをひとつずつ紙に書いて、探しきれないくらいばらばらにして、そこらじゅうに撒いておきたいのだ。ひとつひとつは関連づけられないようにして。
あぁそうか、望んでたのはそういうことだったのか。
いろんなことが串刺しになって、一枚一枚のカードに空いた穴を通して見えない紐で綴じられている。
それでも、やっぱり、ひとつひとつのことは、そここことなく、ばらまいておきたいのだ。
もうツールではどうにもならないとしても。