おおきな選手もちいさな選手も
関東大学バレーボールリーグ戦が開幕した。日々、観戦とその振り返りに励んでいる。
手許には動く映像も試合毎の帳票も無いので、1試合1試合のメモと、各々のシーンを切り取った写真と、見たときの記憶が頼りである。
日々の観戦の中で、今改めて感じていることがある。
それは、将来を嘱望され、成長が期待される大型(長身)選手も、体格(身長)には恵まれないが高い技術を持ち、チームに貢献する選手も、同じ場所で共存し、それぞれの存在感を高めているのが、現在の「大学バレー」という場だということである。
バレーボールと「身長」は切っても切れない関係である。それ故に、プレイする側にも観戦する側にもさまざまな葛藤が生じうる。事実、ブログを書き始めてから、このテーマに絡めて書いた記事は片手を軽く越えていた(記事末尾に書いたのはごく一部)。また、最近、プレイヤーの視点からの大きな示唆を得た。
@dhalmel 自分がやっていたチームでも一番退部者が出るのは中学3年の夏から冬。243(練習時使用のネットの高さ)を前に、心が折れた人から辞めていく。
http://twitter.com/kaz10000/status/12429838541
バレーボールのネットの高さは(シニアで)男子243cm、女子224cmである。女子で「長身」とされる選手の場合、手を伸ばせばネットから手が出るケースは多いが、男子でそれを期待するのは、長身選手であっても厳しい。カラダをきちんと使って、しっかりジャンプして、ということが不可欠になる、と。
そもそも、大学バレーでその活躍を見ることが出来ているのは、何らかの形でその「壁」を抜けてきた選手なのである。
大学バレーで交わったその道は、そこを抜ける頃にはまた分かれていくのだろう。しかし、だからこそ、「今」が大事なのかな…そんな気がしている。
関連
- 身長の高い選手、低い選手、それぞれの課題と希望 - Togetter→さきほど紹介したtwitも含めたまとめ。女子は女子でまた別の(?)角度からの問題があるようで。
- 体格と技術と全日本と - /ja あやつる YmrDhalmel→わりと初期に箇条書きしてみた。
- さまざまな視点(追記した) - /ja あやつる YmrDhalmel→2009東日本、東海-宇都宮で実現した小澤-大木のマッチアップ。
- T-1110或いはA-185 - /ja あやつる YmrDhalmel→チームに「平均身長」の縛りを、という思考実験。
- オリンピック招致は「スポーツ界」が繋いだ「希望」だったのか - /ja あやつる YmrDhalmel→世界を相手に戦える長身選手の育成だけが大事なのか?
参考
- 大きくない選手たち|楽しく考える男子バレー→是非コメント欄も。
- 基準身長と境界身長|楽しく考える男子バレー→上記の続き。
- サッカー界はなぜ鈴木桂治を見逃したのか。: 見物人の論理→バレー界は何故伏見大和を得られたのか。そしてその続きは。