/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

どっちも勝ってほしいなんて陳腐なことを言いたくなった

久々に「終わってほしくない試合」だった。久々にってのは、たとえば、コレ以来かなぁ。
でも、良くも悪くも「春だからこそ」の試合だったんだろうなぁ、たぶん。
どういうわけか、多コート展開の大会からこのカードを引っ張り出して記事書いてるのはこれが3回目。過去2回(2008秋2008天皇杯)は筑波のストレート勝ちだったが、さて今回は…チームがかわっての今回は…?!

中央大学3-2筑波大学

25-18 25-19 27-29 25-27 19-17
中央)1内藤(4)→9辰巳(3)→17白岩(2)→8長山(3)→15千々木(2)→19高橋駿(2) L12高橋賢(3) ※サーブスタートのとき19から
(交代出場:26山香、10山本、14明石、18岡村)
筑波)2安井(4)→1篠村(4)→19李(1)→5村松(4)→8椿山(3)→18矢野(1) L15藤原(2) ※サーブスタートではないとき1から
(交代出場:12佐々木、3冨田、9山根)

中央はインカレ時の布陣から4年生が3人抜けた。セッターには2年高橋駿、サイドアタッカーは辰巳-千々木に、どちらかといえば守備的な位置づけの白岩。対する筑波もセッターが1年生の矢野に替わった。また、もうひとり、大型新人・李博がその対角に入る(レセプションにも入っていた)。
第1セットは筑波サーブでスタート。筑波の一番手は安井。いきなり千々木をふっとばしてサービスエースで始まる。その後サイドが代わったら、こんどは中央のサーバー一番手・内藤がその安井をふっとばす。そのまま小刻みにリードを広げていく中央が、第1セットは危なげなく先取した。中央の1年生で唯一ベンチ入りしている*1山香がMBに代わってピンチサーバーで入りそのまま後衛のローテーションを回し、リベロサイドアタッカーと交代…というようなシフトもあった(最近けっこういろんなチームで見かける)。
第2セットに入ると露骨に筑波に焦りが見える。このセットは、サーブで狙われた李をベンチに下げ、代わりに2年生の佐々木が出場する。しかし今ひとつ佐々木も調子が上がらない。何よりも筑波が地に足が着いていなくて、それで中央が走った感。たちまち中央10-4。
ここで筑波はセッターを交代。矢野に代えて、昨年唯一のセッターであった冨田を起用。その後李を戻し、追い上げられないまでも必死でチームとしての呼吸を整えにかかった。サーブ順が一周し、冨田は2回目のサーブ機会を終わった時点で再び矢野に交代した。この交代が功を奏したのか、矢野が戻ってから、筑波は中央のミスに乗じてではあるが、若干点差を詰め、次のセットに望みをつなぐこととなった。
★F
しかし…第3セットは安井のサーブミスの後、中央が猛ダッシュを見せる。白岩が渋く決めれば、内藤が連続サービスエース。さらに筑波のミスなどもありたちまち中央が6-0。一度サイドが動いたものの次の辰巳のサーブも鋭く切れ込み、そのまま8-1。筑波はたまらずタイムアウトを取るが、タイムアウト直後に千々木が決めて9-1。
詰んだか。
ところがここからが、苦しい中で経験を積んだ上級生とそのチカラを買われた下級生が、試合の中で上手く溶け合ってきた筑波の真骨頂であった。安井がサーブにスパイクに鋭く切れ込めば、安定してきたレセプションを機に矢野が強気に仕掛け、椿山が力強くそれに応える。気がつくと筑波は13-13と同点に持ち込み、更に逆転した。こんどはたまらず中央がタイムアウト
そこからは追いつ追われつのサバイバルゲームに至った。中央がムードメーカーの山本を投入し、千々木の3連続得点でリードしたと思えば、粘り強く食らいついた筑波が、中央がマッチポイントを握った後、村松の連続ブロックで逆にセットポイントに持ち込む。手に汗握るデュースに至ったが、最後は椿山、篠村とMBが連続で決めて筑波が1セットをもぎ取る。
第4セット、こんどは初めて筑波がリードする展開。中央は中盤でMBを長山から岡村にスイッチする。今頃Vプレミアのファイナル始まったかねぇ朝長せんせーが行くのは岡村の母校*2だよってあれこの試合筑波-中央だよなみたいなことを言いながらも、試合は進んでいった。
筑波は一時期4点ほどリードしていたのだが、土壇場で中央が粘り、20点前後からは1点を争う試合となる。しばしば息詰まるラリーが続き、それぞれのセッターの強気の攻めが試合を引き締める。ワンポイントブロッカーで出た山根も、ラリー中に渾身のディグでチームを盛り立てる。このセットもデュースにもつれこんだが、最後は安井が千々木をブロックして、ついにフルセットに突入した。
ファイナルセットは最初からがっぷり四つ。筑波がわずか1点リードでコートチェンジ後、更に篠村のブロックで2点リードとなったが、その後中央が内藤の絶妙なコースへのノータッチエースを皮切りに、そのサーブで崩した上に筑波のミスを誘い、逆に1点リードした。
マッチポイントを先に取ったのは筑波だった。しかし勝負所で徐々に存在感を現してきた千々木が打ち込んだり床を叩いたりした。またしてもデュースにもつれこむと、安井も負けじと応酬した。これは返すのが精一杯かというボールを果敢に打ち込んで決めた。両チームそれぞれの気持ちが観ている者に突き刺さると、ファイナルセットの今の今に言い出すのは恐縮ですがこの試合終わらないでずっと続いてくれますように…という心境に至った。
しかし試合には終わりがやってきた。最後は中央・辰巳が決めて、この「春らしい試合」にピリオドが打たれた。
★F
わたしがどんな心境でどっち寄りでどのようにこの試合を見ていたかは想像にお任せするよりほかない。ただひとつ思ったことは、このリーグ中に、もういちどこの対戦を見たいということであった。まぁ、いろいろ怖いのだけどもね。
だから、筑波は、もっともっと貪欲に上に向かっていって、まずは4強に滑り込んでほしい。一昨年この時期にも書いたのだが、これが、というか、それが筑波なんだろうなぁ。そう思うと、あとかあとからじわじわと迫ってくるものがあってたまらない。

*1:きょうから旗持ちにもなっていた。目線の位置がかなりかわった

*2:長崎北高校