/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

てれびへの道(4)笑って終わると言ったじゃないか

前回
中央大学は、準決勝で東海大学に敗れ、3位決定戦に回ることになった。3位決定戦の相手は順天堂大学
前日の準決勝、試合終了直後の重村のコメントが、V-M-Sの記事に載った。

笑って終わりたいです

と、そのコメントの中で2回繰り返していた。

3位決定戦のことを、てれびの放映を見ながら改めて思い起こすと、この試合の最初から最後まで、何度となくこの言葉を口にしながら見ていたのだなぁと。

3位決定戦 中央大学 3-2 順天堂大学

17-25 25-18 18-25 25-23 15-9
J)16土屋(3)→1小野澤(4)→25渡辺(2)→28伊藤(1)→14間瀬(3)→15今村(3) L24樋渡(2)
(交代出場:5馬場(4)、29高橋(1)、23山田(2)、2当間(4)、3牛島(4))
C)23千々木(1)→11内藤(3)→3渋谷(4)→1福澤(4)→26岡村(1)→4重村(4) L20高橋(2)
(交代出場:5赤名(4)、17辰巳(2)、13川畑(3)、22明石(2))
両チームで唯一出場しなかったベンチ入り選手が中央の中村(#2、4年)。11月の重要な局面でその存在をしっかり受け止めた記憶がある。このチームを地道に支えた大型MBであった。せっかくのベンチ入り、見せ場があってもよかったなぁ…とちょっと思ったが、ベンチに入ったのを見ただけでもなんだか熱くなるものがあった。対して順大は、馬(#4、4年)がベンチアウトしており、そこに渡辺俊介が入った。

第1セットの立ち上がりは中央だった…はずだった。内藤のサービスエースや重村のブロックなど出て5-2とリードし、前日からの気持ちのこもった戦いが引き続いていると思われた。そのムードを一気に順大サイドへ持って行った選手がいた。1年生の伊藤である。
ことし大学バレーで活躍した多くの1年生が、昨冬に出場していた高校の東西対抗。ちょうどきょうのこちらの記事で触れられているが、伊藤は今季活躍組では珍しい(?)東軍の選手であった。
そのサーブが千々木を襲う。よけきれずサービスエース(そういえば千々木、春の時点でライバルは伊藤とか書いてたなぁ…)。その次はそこをカバーに入った高橋がはじいてまたサービスエース。勢いに乗った順大が形勢をひっくり返し、気がつくと一気に優勢に試合を進めるに至った。中央は12-16から2枚替え(渋谷→赤名、重村→辰巳)で目先を変えようとしたが、一度順大が握った勢いを取り戻すにはいたらなかった。
第2セットは逆に中央のターン。徐々にリードを広げた中央が安定した展開をみせた。中盤には順大・渡辺にイエローカードが出る状況もあった。
★F
これで勢いが出たと思われた中央だったが、実は第3セット、また第1セットと同じような展開になってしまう。リードしていたはずなのに伊藤クルー(そういえば、テクニカルタイムアウト時に「一皮向けたぜ伊藤」と、そんな声が拾われていましたぞ、てれびで)。さらにテクニカルタイムアウト過ぎにもう一波くる。間瀬のサーブだったときだが、土屋が岡村のブロードにきっちりついてブロックしたと思ったら、その後中央のミスが続いてどんどんビハインドが広がっていく。中央はこのセットも中盤でセッターが交代し、そのまま…になってしまった。見所があったとすれば明石登場くらいか(ぇ
セットカウント1-2。絶体絶命。このとき、ついつい口をついて「笑って終わるんじゃなかったんかい…」と、どこかの口がそう動いていた。

実は第4セットもけっこう怖かった。リード後にやってくる伊藤のターン。そこでまた、1回目のテクニカルタイムアウトが6-8。
直接のきっかけになったかどうかは謎だし、その後も一進一退の展開は続いたのだが、「しゅんすけがしゅんすけを」こと、千々木が渡辺を2回連続でブロックしたそのシーンで、まだまだ中央に突破口があることがあらわにされた。
中央は16-14で2度目のテクニカルタイムアウトをリードして迎えたが、順大も粘り、22点までは互角に渡り合った。その勝負所での伊藤のサーブミスはなんとも痛かった。そのまま重村のブロックや福澤の強打で、中央がファイナルセットへ持ち込んだ。

ファイナルセット序盤に大きなヤマが来る。重村の渾身のレシーブ(飛び込んだところがちょっとひっこんだ。その後決勝寸前までひっこんだままだったらしい)からボールを必死でつなぎ、それを福澤が決めて、そこから気合いが非常に盛り上がってきた。中央8-5でコートチェンジ後も、それぞれの攻撃はその手をゆるめることがなかった。終盤の渋谷には、昨春以上に鳥肌が立った。
★F

最後は福澤がスパイクを決めマッチポイント、その後ブロックを決め、中央が3位を勝ち取った。

笑って終わると言ったはずなのに…キャプテンを筆頭に、なぜ泣くのだ。あうう、う、う。
(次回こそたぶん最終回)