/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

てれびへの道(3)その道、未だ途切れず

前回

準決勝のてれびはまだ見ていない。恐らく明日の3位決定戦視聴が先になるものと思われる。てれびを見たら追記するかもしれないし、しないかもしれない。
昨日、

東海大学と準々決勝で当たる可能性はなくなり、主催サイドは大いに安堵したものと思われる。

と、思わず書いてしまった。正直なところ、それが当方の正直な感想でもあったからである。しかし、よくよく考えると「東海-中央は、準決勝で当たってしまう」のである。決勝のカードには成り得ないことにショックを受けた向きのほうが、やっぱり多かったのだろうか。そうなんだろうな。
当方が、ずっとずっと「てれび」まで届いて欲しいとそのことばかりを思い、その先にアタマが働いていなかったことに、いざ東京体育館特設コートを目の前にして気がついた。チームの想いは、もちろんその先にあったのだろう。そこまで至っていない自分が、もどかしかった。

男子の準決勝は第3試合から。前2試合の女子準決勝を見ていたら、目の前に準決勝を戦っていた青学OGが集結していた。そのなかのひとりが(おそらくオシゴト絡みなのだろうが)試合の途中で中座せざるをえなくなり、慌ただしく体育館をあとにしていた。
「じゃあ、また明日ね〜」

どちらに転んでも(その時試合はファイナルセットを迎えるところだった)明日はやってきて、明日も試合が出来る。まずは、きょう、この日の試合を、精一杯、思いっきり…だろう。見る側も。そう強く感じた瞬間ではあった。

女子準決勝が終わって、中央と東海、両チームが勢いよくコートに入ってきた。とにかく、今までに見たことのないそれぞれの表情に目を奪われる。必死についていってやる!…と、見る側も、次第にテンションが上がってきていた。
★F

準決勝 中央大学 2-3 東海大学

24-26 25-21 25-21 23-25 12-15
C)4重村(4)→23千々木(1)→11内藤(3)→3渋谷(4)→1福澤(4)→26岡村(1) L20高橋(2)
(交代出場:5赤名(4)、18山本(2)、22明石(2))
T)32安永(1)→1清水(4)→4松田(4)→33塩田(1)→15深津(3)→22八子(2) L38大矢(1)
(交代出場:3福田(4))
両チームとも、スターターに全学年が揃っている。
全日本インカレのマクラによく使われる言葉として「4年生は最後」というものがある。しかし、最後なのは4年生ばかりではない。誰にとっても、このシーズンの締めくくりであることに相違はない。
4年生ばかりで出てくるチームはほとんどない。だから、それぞれがそれぞれの立場で、現状を噛みしめて、目の前に燃やしていかなければならないのだ。それが出来たチームが、此処でいちばん強いチームになるのだろう。
★F
第1セット、東海が抜け出したと思えば中央が追随する、そんな展開でスタートした。この2日間のみのレギュレーションであるテクニカルタイムアウトは、2回とも中央リードで迎えた。
20点を先に取ったのは中央だった。しかし、そこから双方に連続得点が続き、セットポイントを先に握ったのは東海だった。なんとかデュースにもつれこんだ中央は、ここぞとばかりにピンチサーバー山本を繰り出すが、痛恨のサーブミス。最後は福澤のスパイクがアウトになって、東海が1セットを先取した。

東京武道館で見たとき以上に、中央のチームとしての結束は堅かったように見えた。見ていて鳥肌の立つシーンがたくさんあった。特にこの日は重村のレシーブに何度となく唸らされた。

第2セットは東海安永のクイックから始まった。福澤が清水を止めたり、逆に福澤を高校の後輩・塩田*1が止めたり。一進一退の立ち上がりから、しかし中央が7-3まで抜け出し、東海がすかさずタイムを取る場面もあった。東海は勝負のサーブがミスに振れてしまい、なかなか波に乗れず、結局中央ペースで推移し、セットカウントは1-1となった。タラフレックスコートを叩いた感想はどうですか?(謎

続く第3セットも中央が連取する。いよいよ勝負所の第4セット。

中央は立ち上がりからMB内藤を多用する。とにかく前衛にいる間は内藤にボールを集めた。これには驚かされた。筑波が秋リーグ、天皇杯と中央に連勝したときにはほとんどその姿を感じられなかった*2内藤が、ここで非常に強烈に効いていた。
序盤9-3と走った中央だったが、東海に連続ブロックが出て徐々に差が詰まる。前のターンで千々木がシャットされ、思わず自ら打って出た重村*3が八子にブロックされた。その後2度目の内藤ラッシュをはさみ、それでも2-3点のリードを守っていた中央だったが、両キャプテンを中心とした攻防の中で、徐々にその差が詰まっていった。東海がサーバーに福田を起用してからは、そこで崩された中央が徐々に浮き足立ってきた。20点過ぎでの連続ネットタッチは痛かった。土壇場で登場したピンチサーバー明石、しかしボールへの念むなしくサーブミス。
★F
最後はこのセットで効いていた内藤を安永が止め、熱戦はフルセットに突入した。フルセットに至った時点で、詰んだか…と、正直思った。

ファイナルセットは、とにかくただただ胸が詰まりそうになった。中盤を過ぎて、重村はひたすら福澤に上げた。首尾良く決まるときも、決まらないときも、なんというか、その覚悟のようなものを感じた。しかし、最初についた点差のまま、巻き返せぬまま、東海が決勝戦へ走り抜けた。最後の最後に、ことし戦ってきた軌跡、「勝てそうで勝ちきれない」*4中央が、顔を覗かせてしまった…

死闘だった、これから何度でも紐解いて語りたい熱戦だった、んだと思う。明日どちらも戦えることが(その場は全然違う意味合いになるにしても)僅かな救いに思えた。

明日は笑って終わりたい…終わりたい…よ、ね…呪文のように口にしながら、次の試合を恍惚として見守ったのであった。最終日、3位決定戦の朝は早い。早いぞ。眠れるか…?
(次回へ)

*1:とはいえ、3学年違うので高校での直接の接点はない。「4年と1年」が印象に残るのは、大学でしか叶わない巡り合わせであるから、かもしれない

*2:それだけサイドに偏っていた感あり

*3:福澤はサーブに下がっていた

*4:ほんと、複勝を買いたくなるチームなのだよこれが