てれびへの道（終）ふしぎふしぎ、完結しないふしぎ
マスメディアというものは、ヨノナカに幅広く関心を持たれている内容を、その関心の度合いに違わない形で伝えるという役目を持っている、というのは、理屈ではわかる。理屈ではわかる、という以上のことは、当方は個人的に上手く受け容れられないままに、ここまで来た。だから、当方が、ブログや他の場所で何かを書く時は、出来るだけ自分で思ったことを率直に書けるように心がける。しかし…なかなかコレは苦心するポイントではある。特に今回のように、いろいろなメディアがインカレを取り上げていた状況下においては。
かねてから「すごいのに、どうしてだろう」と思い続けていた対象が、中央大学の背番号1、福澤達哉そのひとである。過去、拙ブログでは何回か同じようなことを言い、書き、書く度に撃沈していた（たとえば、コレとか、コレとか、コレとか、コレとか←ここでいただいたコメントが、今でもアタマを反芻する）。跳ぶし、カラダはしっかりしている*1し、アタマも整っているし、やっぱりすごい選手なのだろう、そういう先入観があるからかどうかは知らないが、どうも「もったいない」感がついて回り続けてここまできていたのだ。
#もし、バレー選手検索ツールなるものがあって、「この選手を応援している人はこの選手も応援しています！」という、おとなり検索？みたいな機能があって、当方がそれを使ったら、真っ先に登場しそうな選手ではある（と、暗に指摘されてらｗ）のにもかかわらず、なんでだろう…っつーのは、ここ数年の当方にとってのギモンではあった。
なんつーか、かなり複雑系ではありますわな、そんなところも含めてしまうと。「フクザツやわ、たー（←意味不明）」と。
(…もがきつつ東西対抗を見たら、ますますもがいた。)
ソレはさておき。
ことし、福澤は全日本選手として12人代表枠に残り、オリンピックに出場した。
そこから帰ってきて初めての（そして、実質今年度初めての大学での）リーグ戦、中央は否応なしに注目を浴びる状況で、しかしなかなか結果を出せずにもがいた。周りの選手を含め、すべての底がいっしょにキチャッタんだなぁ、と、今にして思えばそう思えるところなのだが。そんな中で、清水とタイでのスパイク賞を受賞するなど、ある水準は残せているのは流石だと思うところではあるのだが。
福澤にとって最後の、そして最初で最後のてれび（と、その先）を目指す全日本インカレ。大会の顔として事前の露出も多かった状況ではあったが、率直なところ、ひとりの選手としてそう調子や状況が良かったとは感じられなかった（実は、マスメディアが絶対書かないだろうなと思っていたこの十数文字を書くことに、数日逡巡していた）。率直に、全日本インカレでの中央の底上げポイントはほかのレギュラー4年生ふたりの方が高かった感がし、その底上げとの相乗効果によってほかのメンバーも思いっきり動けていたのだ、というのが、実際試合を見ていた中での感想であった。
何が福澤のその動きや弾道を重くしていたのだろうか。何が思わぬチカラになってスパイクを必要以上に大きくしていたのだろうか。
やっぱり、最後に大きなシゴトを成し遂げようとしていた、キャプテンとしての重圧だったのだろうか。
3位決定戦のあと号泣したとき、その後に「準決勝は涙を堪えていたのだ」というのをこちらで拝見したとき、福澤は必死にキャプテンを務めよう、全うしようとしていたのだろうなとは思った。思えば去年の天皇杯ブロックラウンド、3年生以下のチームで臨んだ中央で初めてキャプテンマークをつけてから、疑うことなく「キャプテンそれ既定路線」と思っていたのだが、もしかすると、そうじゃないほうがよかったのかな…、そうじゃない中央だったら、今シーズンどうだったのかな…ということを、ついつい考えてしまったりはしたのだけれど。
結局、当方にとって、「中央の福澤」って、最後の最後まで、キニナルけれど、なんでなのだろうか、不思議…、という位置づけのまま終わってしまったんだな、ということなのである。「一選手として、自身についてはどうなのだろう」というギモンをついつい抱いてしまう、でも筋の通った名文を読んでしまうと尚更。
却って、パナにいったあとのほうが、見る側も「ふしぎふしぎ」スパイラルから解放されるのかもしれない。
ある意味非常に悔しいのだが、今後何かをそこに見いだせることを楽しみに、今後は見て行ければ、今はそう思っている。
4年生がレギュラーから3人も抜ける。しかし、層が薄くなるどころではなく、それ以上に逸材が入ってくるという中央。
その新しい時代と、その次のてれびを楽しみにしつつ、当方も、一度ちゃんと「ことしの中央」そして「福澤のいた中央」に区切りをつけたい。
★F
…バトンは受け取ったんだろ？え、指令を受け取ったって？
*1:脱いでもすごいんですとか
