/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

とある旋回からの着陸へ

国体予選たけなわの週末であった。わたしも、国体予選を見ていた(地元開催の全中に心を引っ張られたのはさておく)。

初日の開始時間が早かったため、金曜の夕方に着く飛行機に乗った。その飛行機の離陸は諸事情あって遅れた。
普段あまり飛行機の窓側に座らないわたしが、なぜかこの便の指定を窓側にしていた。雲は掴めそうなほど近くに見え、ああこれちぎって口に含んだら、ちょっと甘いのかななどとわけのわからないことを思ったりしていた。飛行機は雲の上を飛び、雲はふかふかと絨毯のようであって、太陽はそのうえに見えていた。

目の前に見えていたのが青空だったから夢にも思わなかったのだが、一回着陸態勢に入って若干雲の下に見えていた町並みが、気がつくとぐっと遠ざかり、気がつくとシートベルト着用のサインが消えた。空港周辺に前線がいて、通過を待つため、しばし上空で旋回するというのだ。

同じような経験を過去にしていた。そのときは、若干上空を旋回したが、結局目的地に降り立てずに引き返した。徒労だけが残る長いフライトだった。今回も、そこまでの道のりが長かった。事情は若干違うので、いつかはなんとかなるのだろうと思いつつも、やっぱりそのときのことは頭をよぎるところがあった。

事情は説明できる状況になく、ただただ待つというシチュエーションになって30分ほど。客室乗務員が機内を回って飴ちゃんを配り始めた。いろいろ聞かれていたが、これまでのあらすじの繰り返しとお詫びを丁寧にしながら自席に近づいてきた。ちょうどわたしに飴を配り、並びのお客さんに配ろうとしたときに、ベルが鳴った。

それからほどなく、飛行機は着陸態勢に入り、無事に目的地へ着いた。なんとか、旅のさいしょの夜を、すごすことができた。

見たいものを見て、逢いたいひとに逢って、話したいことを話して…その終わりが近づいてきて。しばし…ここ数ヶ月、自分自身も、先の見えない旋回のなかにいたのかもしれないな、そんな気がしてきた。

時間はかかっているし、心は揺れているし、いろいろな場所で考え込んでいたし。しかし、ようやく、何かが見えつつあるのかもしれないと。
着陸近し。わたしも、わたしのホームへ。