/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

「すごいや。ぼくらは いつか おれい するです。」

タイトルに考えていたのは別の台詞だったのだけど、急に引っかかって差し替えた。別の台詞…についても、あとで書く。この台詞の出典は、どせいさんMOTHER2とか3


[どうしても思い出すのはこの試合だった…2014/3/29、警視庁戦@刈谷]

いつかは、何らかの形で触れなければならない、そう思っていたその報せが、きょうのVリーグアワード直前に流れてきた。加藤さんが、こんどの黒鷲限りで現役を退くという、その報せに触れた。→http://www.tuvb.jp/?p=6839

ある意味、もうちょっと冷静に迎えると思っていた報せだった。

加藤さんは、このチームが始まった頃から、まだこのチームの一員になる前から、ずっとチームの真ん中にいた。チームの名前が決まるとき、筑波OBであたらしいユニフォームを着ての紅白戦があって、どちらについた名前をチームのニックネームにするか、という投票がおこなわれたとき、加藤さんがいたほうのチームの名前が優勢になった、しかし、それは加藤さんに流されたからだということになって、そしてチームの愛称がサンガイアになった…というあたりから、もう。

加藤さんは、このチームに入る前から、このチームの象徴的な存在であって、入ってからは、更にその度合いを増した。その存在がおおきいがゆえに、チームを見ている者からすると、しばしば戸惑った。その大きな存在に、いつまで流されるのか。いつまで寄りかかれるのか。それでいいのか。加藤さんの存在が大きければ大きいほど、なんだかぐるぐると回っていたことだった。

よく覚えているのが(という割に日付とか年度とかを忘れていて、探すのに一苦労したんだが)、2010/11のシーズンに、桜で大同特殊鋼と戦った試合のことであった。「総立ちの桜」である。じんわりと染みいるのが半分、そのままでいいのかと思うのが半分…だった。その先のエントリによると、この試合の後、ついつい、見ている自分の姿勢についても、問いただしたくなっていたみたいだ。

さきの日曜日に、加藤陽一が誰に何を伝えたかったのか。…じっと考える。伝えたいことは、おそらく言葉だけでもプレイだけでも足りなかったのだろう。あそこで見ていた600人以外に、どう伝えられるだろう。どう伝わるだろう。

あとあと画像に残せて、広く再生可能な状況があれば、また別なのだろうけど。

どうすれば伝わるか。伝えたいことは何か。 - /ja あやつる YmrDhalmel

この試合を機に、非常に濃く乗っかり始めたそのシーズンは、しかし、ホームカピオを前に、思いがけなくあっけなく終焉した。その後、被災したつくばで暮らす加藤さんが発するメッセージが、しばしば自分の心を突き動かしていたのをよく憶えている。つくばにかけつけることも、黒鷲に行くことも出来なかったけど、あのときは。

しばらく、自分とつくばとの距離が(物理的にも、論理的にも)離れてしまっていて、今シーズンは年が明けてから、ようやく観戦の機会を得ることが出来た。それが2月のつくばカピオであった。見た試合の数でいえば諸氏の足下にも及ばないが、ここから見た5試合の濃かったことといったら、なかった。加藤さんすげー、と、恐らく初めて、素直に思った。そして、ほんとに、今まで見ていた中でも、いちばん凄いと思った。高いと思った。
そして、チームが加藤さんに寄りかかっていたわけではなくて、なんだかそれぞれに力を出しつつ、同じ方向を向いて、チームがおおきくおおきくうねっていたことを、全身で感じていた。

そして、あの、刈谷での最終週…。

警視庁戦で、加藤さんが67本のスパイクを打った。タッキーが途中で負傷のため退いて*1、そのあと、加藤さんの背中に羽が生えた。それを、やっぱり「その背中に寄りかかっている」と称するのがよいのかどうか、未だに答えは出ていない。また、ループになりそうだな、と思ったけれど…まぁ、そこは…。

当初、タイトルにしようと思っていたこの台詞が、黒鷲を前にして頭をよぎる。

泣くぞ すぐ泣くぞ 絶対泣くぞ ほら泣くぞ

セリフ/【泣くぞ すぐ泣くぞ 絶対泣くぞ ほら泣くぞ】 - ファイナルファンタジー用語辞典 Wiki*

5月3日以降のいつか*2の試合後、コートの内外がどんなことになっちゃうんだろうか。表記のような状況が容易に想像できてしまうので、わたくし怖くて2日に現地を離れるんだが*3…と言いつつ、なんだか震えてしまってどうにもならなさそうなのだ。

だけど。これから、もっともっと、がんばっていかなきゃだよなぁ。そう思って、心に刻んで、またその先を見据える大会になるし、するのだろうな…。

つくばユナイテッドSun GAIA、9シーズン目の締めくくりとして。どこかに、表題のことばを宿しながら。いつかはそれを口にすることを願いながら。

新しい相棒のファインダーにも、ちゃんと刻ませるのだ。加藤さんのその勇姿を。

*1:本日のアワードに出席していたが、松葉杖姿であったようで…

*2:全力で加筆

*3:…と、つよがってるだけなんだよ