/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

ぼくのなつやすみ(1) #visit_higashikawa

1年前の今朝は、ちょうど、留萌に向かっていた。

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若干時期は前後しながらも、ここ6年ばかり、ずっと、夏には足を運んでいたのが、留萌というまちだった。サンガイアがやってきて、北海道の様々なカテゴリのチームがやってきて(ここ数年は日程の都合その他で実現していないが、当初は高校生の選抜チームもやってきていた)、毎年その合宿を支える地元の方々にお会いして、美味しい海の幸やバレーの幸に舌鼓をうって、というような時間を過ごしてきた。中には「それほんとに夏なのか」と(殊に酷暑の地から飛んでくるサンガイアの方々はたぶん切実に)感じるような、涼しいを通り越して寒いだの、誰がどう「持ってる」のかわからないが雨だとか、その雨が合宿が終わる頃に上がるとか、適度なツッコミどころもあったりしたわけであるが、それは措く。

とにかく、ことしは、サンガイアは留萌にやってこないということが、8月近くに判明した。日々の練習風景をチームの方々が届けてくださるのを見るに、非常に暑い中でたいへんハードな日々をお過ごしのようではあり、それでも、昨今の状況を勘案すると、そう判断することは非常に意義深く大事な決断だったのだとは思いつつも、くっと舌を噛むのではある。

わたくしに於けるたいていの「夏休みの予定」は、この留萌の日程を軸にして組み立てられるのが、ことしは軸がないという。サンガイアが来なくても自分は留萌に行ってエア留萌合宿、という案を含め、勿論ホームにステイしてえのれんしゅうに励むという案もあったが、直前にほぼ方向性が固まったので、お盆明けの木曜日からそろりと旅に出た。

向かう先は、以前雪の季節に初めて伺って、それから「ぜひいちど、雪のない時期に」と思いつつチャンスを窺っていた場所である。

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「せんとぴゅあ」近辺にて。

北海道東川町。初めて伺ったのは、2018年1月、ヴォレアスがVリーグ最初のシーズン(V・チャレンジリーグ2)を戦った2017-2018におこなわれたホームゲームのときであった。

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2018年1月、東川小学校近辺。雪に埋もれた。

このときは、上のしゃしんにも写っているが、ヴォレアスが仕立てたシャトルバス*1で、土日旭川から試合会場まで往復。宿は旭川市内に取り、しかも雪の降り続く天候であったため、街を散策することはできなかった。町並みだとか美味しいお店だとか、そもそもこのまちがどんなふうに動いているのかとか、シャトルバスの中や現地その他で深く関心を抱き、ああここ雪のない時期に自転車で動いたら気持ちいいだろうななどと思いつつ…2年半が過ぎた。そう。ことしはV-THEATERも無いので、そちら方面にもすっかりご無沙汰である。

札幌からまずは旭川を目指した。列車に乗っていると、岩見沢あたりから雨がぱらつき始めた。予報を見ると、夕方くらいまでぐずついた空模様ではあるようだ。降ったりやんだりのなかで旭川着。

旭川から東川へ向かうには…公共交通機関でもクルマでも、行ったことってなかったんだった。調べると、旭岳へ向かうバスがある。「道草館」という道の駅があり、そこでレンタサイクルもあるというので、まずバスで道の駅を目指すこととする。バスの中でも降ったりやんだり。

小一時間バスに揺られて道の駅に到着。

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道の駅。隣にモンベルの店舗もある。

レンズいっちょーだけつけたKP*2をぶら下げて、大きめの荷物を預けて、ちょっと迷った末に自転車を借りて(レンタサイクルには、電動アシスト自転車、折りたたみ自転車、クロスバイクロードバイクの4種あり。久々にクロスバイクとも思ったがちょっと悩んだ末折りたたみ自転車に)。いざ…と思ったら、カメラにメモリカードが入っていないことが判明。いきなり、写真の町でメモリカードを求める事態になったが、無事にコメリでゲット。

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ひとときの愛車


ほどよくお昼になったので、まずはランチから。ひとまず道の駅近くの「讃岐うどん 千幸」へ。うどんを待つあいだにいきなりのニュースに驚くなどした。「ゔぉ、ゔぉ、ゔぉ…」太いごぼうがそのまま揚がって中央に突き刺さって出て来たごぼう天うどん、美味しゅうございました。

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旅の途中ですがニュースです。どこへGOTOと思いきやまさかのWELCOME
(2018年11月、全日本インカレ)

…からのサイクリング。ただただ平坦で穏やかな道を往く。キトウシ森林公園の方面へまずは自転車を走らせる。時折雨が降ってくるのと、自転車のサドルが痛かったのとはあったが、自分が町並みやモノを見る時にいちばん見やすいスピードというのが自転車のはやさだというのはあり、非常に快適に漕ぎ続けて時折立ち止まってはシャッターを切り、たんたんとその場を味わった。

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北海道に住んでいながら「北海道に来ています」と書き添えたくなるしゃしん

キトウシ森林公園に着いたあたりで一段と雲行きがあやしくなった。早めに戻ってみようとして、また道の駅方面へ向かったらだんだん雨脚が強くなってきた。ギリギリのところで雨やどりがてら駆け込んだのは、「せんとぴゅあ」という施設。

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「せんとぴゅあ」には二棟ある。道路に沿った手前の施設「せんとぴゅあⅡ」は、図書館、会議室、プレゼンルーム、名産品店などが複合してできている場所。図書館には山、登山に因んだ書庫や、地元に関わりの深い作品が集められた(その中には狼を描いた「牙王」のコレクションも)コーナー、新刊、子供向けの書籍など幅広いジャンルの図書が、読み手を歓迎するかのように並んでいた。その中に、未読でいつかちゃんと読もうと思っていたシリーズの小説を見つけ、ここで読み耽ってしまうんじゃないかという感覚にもなった(建物のトーンが、木工メインで非常に過ごしやすい場所でもあったわけで)。

まだ雨が激しいし、しばらくこの場所で様子を見ようと思ったら、向こう側の棟で写真展がおこなわれているというのがわかって、そちらへ向かう。「急に何かが繋がる瞬間」というのがある。確かヴォレアスのシャトルバス車中で、「ここが旧東川小学校で、今は日本語学校になっています。陳選手がここで学んでいます」と説明を受けた建物が、この「せんとぴゅあⅠ」だというのである。当時は、試合会場である新校舎からかなり離れていると思っていたし、ここが日本語学校でというのもよくわからなかった。せんとぴゅあⅡのオープンが2018年7月だというので、当時は工事中でよくわからん状況だったのかもしれない。

ギャラリーでは、フォート・キシモトの岸本健さんのスポーツ写真展がおこなわれていた。東京五輪から現在に至るまでの貴重なスポーツ写真があり、非常に圧倒された。よく見るとこの棟にはカフェがあるというので、ちょっとだけ休むことにした。お尻痛いし←

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コーヒーブレイク。(ひがしかわ食堂ワッカ)

回りたいところはいろいろあるのだが、あまり無理はせずにこの日は早めに切り上げた。旭岳方面へは翌朝向かってその足で旭川を目指し、家族との合流に備えることにした。たぶんここもリーグで来たときには無かったのだが、街なかにあるちいさな宿に一泊した。

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せんとぴゅあで見かけた、東川の魅力、特徴を挙げたポスター。木の扉を開くと、詳細な説明が書かれている。

帰ってきてこちらを見たら、どんどん行きたいところが増えてきた。定休日でだったり、ぼーっとしていたからだったりで行けなかったところはけっこうあった。足を伸ばしてみたいところもけっこうあった。不思議なまちではある。そこに「イメージを具現化する」なる、自分あたりが非常に不得手にしていて、受け止める側としてもその発し方が微妙だと微妙になっちゃうかもしれない要素はあるかもしれないが。

もうV2(もちろんV1でも)規格では困難な場所になってしまったのだろうが、2年半前のこの会場と、この会場で繰り広げられた大会って、かなりのエネルギーだったんだろうなと、改めて反芻した旅ではあった。

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翌朝旭岳を拝みに行った。登山に向かう方々がけっこういらっしゃった。山はええのかのお。ええのだろうなあ。

かきたてられる、東川の観光案内。また行くぞということにした。

www.welcome-higashikawa.jp

*1:このときのバスはあさひかわ交通の貸切バスで、白地にオレンジでロゴが描かれている。ヴォレアスオリジナルラッピングバスが登場したのは2018年の8月

*2:このエントリのしゃしんには、KPで撮ったのと、手許のiPhoneで撮ったのとが混在している