男子チャレンジマッチ10回史
きたる3月14(土)15(日)、日本製鐵堺体育館にて、男子では3シーズンぶりのチャレンジマッチがおこなわれる。今回は新型コロナウイルスの影響で、無観客試合として開催されることが早々に決まっている。尤も、それはあくまでも現時点での話で、最終的にどうなるのかは直前までわからないのだが、両チームが移動できて、会場が問題なく使用できる*1のであれば、開催はされるのだろう。幸い、V.TVで配信されるということなので、当日はそれを愉しみにする所存である*2。
さて、Vリーグの中で、カテゴリ同士の入れ替え戦のことを「チャレンジマッチ」と称して実施するようになったのは、2006/07シーズンからである。この前のシーズンまでは、「Vリーグ」には最上位リーグだけがあって、2部相当は「V1リーグ」だった。「Vリーグ」と「V1リーグ」との入れ替え戦は存在し、熱い戦いは続いていた。このシーズンからは「V1リーグ」がVリーグ傘下になって、「V・プレミアリーグ」(従前の「Vリーグ」)と「V・チャレンジリーグ」の2部構成になったのである。(ちょうどこの頃に創設されたつくばは「GO TO Vリーグ」を合言葉にしていたのだが、いきなりVリーグに入ったので或る種拍子抜けしていた)。かくして、「V・プレミアリーグ」下位と「V・チャレンジリーグ」上位との入れ替え戦が「チャレンジマッチ」としておこなわれるようになったのである。
その後、9シーズンを経て、2015/16シーズンからV・チャレンジリーグはV・チャレンジリーグ1とV・チャレンジリーグ2に分割された。また、2018-19シーズンから新生V.LEAGUEとなり、各カテゴリのチーム数が見直されたこと、リーグ出場に相応のライセンスが必要となったことから、チャレンジマッチがおこなわれないシーズンが2回続いた。
いろいろと変動のある中で、2006/07から現在までのチャレンジマッチの結果をまとめてみる。なお、これらのうちいくつかの大会は生で観戦している。「ああ、その試合を、見ていてよかったのだろうか」と思う、他となんともいえない違いを感じるのが、この大会の特徴でもある(あくまでも主観だし、主に2013/14の感覚に基づいている)。
なお、チャレンジマッチはここまで「中立」な会場でおこなわれている。これまで、何故か神奈川での開催が多かった。
チャレンジマッチは中立会場で2日間にわたり2試合おこなわれる。勝数→セット率→得点率ときて、得点率も同じであれば上位リーグチームの残留となる。というのは、当初から変わっていない。
- 2006/07(4/14-15長岡)
- 2007/08(4/12-13秋葉台)
- 2008/09(4/4-5大和)
- 2009/10(4/3-4秋葉台)
- 2010/11 なし(東日本大震災でリーグ打ち切りのため)
- 2011/12(3/31-4/1大和)
- 2012/13(4/6-7秦野)
- 2013/14(4/5-6さいたま)
- 2014/15(3/28-29横浜文体)
- 2015/16(3/5-6ひたちなか・船橋)
- 2016/17(P-C1:3/11-12大和、C1-C2:3/4-5パナアリ)
- 2017/18 なし(リーグ再編のため)
- 2018-19 なし(V2リーグにS1ライセンス保有チームなし)
- 2019-20(3/14-15日鐵堺 ※予定)→中止
2006/07(4/14-15長岡)
[P8]大分三好ヴァイセアドラー 2-0 [C1]FC東京 (大分三好残留)
[P7]NECブルーロケッツ 2-0 [C2]東京ヴェルディ (NEC残留)
長岡には行った。試合の帰りに見る桜が綺麗だったのと、初日NECにフルセットまでいったヴェルディと、斯様な試合をしたNECの余韻と、なーんて言ってたら帰りの新幹線が思いっきりNECとご一緒であったことと、東京三好の息をつかせぬ各セットと、試合が終わってからずっとずっと固く手を握り戦況を語る武大の同期と…とぎれとぎれに思い出す。
2007/08(4/12-13秋葉台)
[P8]大分三好ヴァイセアドラー 2-0 [C1]FC東京 (大分三好残留)
[P7]NECブルーロケッツ 2-0 [C2]警視庁 (NEC残留)
FC東京が大分三好と宿命の戦い、いいところまで迫るも及ばず、が、続いていた。このシーズンは、ちょうど関東1部の開幕とかぶり、かなり迷った末にこちらにいた記憶。大分三好に背番号1と23(象徴的な意味で)がいた時代。
2008/09(4/4-5大和)
[C1]FC東京 1-1 [P8]大分三好ヴァイセアドラー (FC東京昇格)
[P7]NECブルーロケッツ 2-0 [C2]富士通 (NEC残留)
※大会後、NECブルーロケッツが黒鷲旗限りでの休部を発表。7月に大分三好の「昇格」が発表される。翌シーズンのV・チャレンジリーグは11チームで実施*3。
このシーズンのチャレンジマッチは男女ともえらく激震であった。女子は次シーズンからプレミアを10→8にするために、プレミア下位3チームとチャレンジ最上位チームでのチャレンジマッチから1チームのみが残留(もしくは昇格)というレギュレーションだった(結局JTが残留)。確か2日目はちょっと到着が遅れ、かの日立応援団さんが周囲にご挨拶をしているところに着いた記憶がある。
なお、この年から活動を開始したFC東京のマスコット・東京ドロンパ(当時11歳)が初めてバレーボール会場に姿を現したのが、この大会である。
2009/10(4/3-4秋葉台)
[P8]大分三好ヴァイセアドラー 2-0 [C1]富士通 (大分三好残留)
[P7]FC東京 2-0 [C2]ジェイテクトSTINGS (FC東京残留)
ジェイテクトが初めてチャレンジマッチ圏に来たシーズン。どちらの試合も早々に決着がついたが、富士通の内定選手として出場した中川が印象に残った。
2010/11 なし(東日本大震災でリーグ打ち切りのため)
V・プレミア、チャレンジとも、レギュラーラウンド(そもそもこのシーズンのチャレンジは12チーム総当たりのレギュラーラウンドだけだったんだが)終了前に東日本大震災のためリーグが打ち切りとなり、チャレンジマッチもおこなわれなかった。
2011/12(3/31-4/1大和)
[P8]大分三好ヴァイセアドラー 1-1 [C1]つくばユナイテッドSunGAIA (大分三好残留)
[P7]JTサンダーズ 2-0 [C2]ジェイテクトSTINGS (JT残留)
このシーズンのFC東京はプレミア5位、前年は別として、久しぶりにチャレンジマッチに出場しないシーズンとなった。大分三好-つくばはつくばが先勝したが、翌日大分三好が勝ち、セット率の差で残留。なお、つくばの現監督は日立の選手としてこの大会に出場していて、コーチと主将はネットの向こうでつくばと対峙していた。今思うと。
2012/13(4/6-7秦野)
[C1]ジェイテクトSTINGS 1-1 [P8]大分三好ヴァイセアドラー (ジェイテクト昇格)
[P7]FC東京 2-0 [C2]つくばユナイテッドSunGAIA (FC東京残留)
各セットのスコアをこの表に付記しようとしたのはこのシーズンの結果がきっかけ。ジェイテクトと大分三好は勝敗、セット率で並び、得点率勝負でジェイテクトが上回り、僅差での昇格を決めた。学生選手の主力が4年になるところで勝負に臨んだつくばは粘ったが及ばなかった。かくして、大分三好は初めてV・チャレンジリーグに位置づけられることになった*4。
2013/14(4/5-6さいたま)
[P8]ジェイテクトSTINGS 2-0 [C1]警視庁フォートファイターズ (ジェイテクト残留)
[P7]FC東京 2-0 [C2]大分三好ヴァイセアドラー (FC東京残留)
どちらのリーグも前週までレギュラーラウンドが展開されていて、特にチャレンジリーグは最終週での大逆転があった。思いっきり私情を挟むと、向こう2シーズン、現地で見られなかったつくばを見ようと現地に赴く所存であったが、以下略。チャレンジマッチを見るというのはどういうことであるかというのを必要以上に感じさせられた。
2014/15(3/28-29横浜文体)
[P8]FC東京 2-0 [C1]大分三好ヴァイセアドラー (FC東京残留)
[P7]東レアローズ 2-0 [C2]富士通カワサキレッドスピリッツ (東レ残留)
2015/16(3/5-6ひたちなか・船橋)
プレミア-チャレンジ1間
[P8]FC東京 2-0 [C1-1]富士通カワサキレッドスピリッツ (FC東京残留)
[P7]サントリーサンバーズ 2-0 [C1-2]大分三好ヴァイセアドラー (サントリー残留)
チャレンジ1-チャレンジ2間
[C2-1]VC長野トライデンツ 1-1 [C1-8]東京ヴェルディ (VC長野昇格)
このシーズンからチャレンジは2つに分かれた*5。VC長野はシーズン途中の2016年1月にV機構正式入社となり、チャレンジ1入れ替え戦の出場資格を得た。
このシーズン、チャレンジマッチの会場が2分割されていた。男子でいえばFC東京-富士通とVC長野-ヴェルディが船橋で、サントリー-大分三好がひたちなかで開催された。土曜日船橋で、日曜ひたちなかで試合を見た。初めてサザコーヒーに行った(そこか)。サザコーヒーで食事をしながらバスを待つ列と会場に向かう大分三好御一行様を見かけた(それで)。チャレンジわんつーの入れ替えが決まったのは、わたしがひたちなかをあとにして、確か空港へ向かうバスの中だったと記憶している。
2016/17(P-C1:3/11-12大和、C1-C2:3/4-5パナアリ)
プレミア-チャレンジ1間
[P8]FC東京 2-0 [C1-1]大分三好ヴァイセアドラー (FC東京残留)
[P7]JTサンダーズ 2-0 [C1-2]富士通カワサキレッドスピリッツ (JT残留)
チャレンジ1-チャレンジ2間
[C1-8]埼玉アザレア 2-0 [C2-1]東京ヴェルディ (埼玉残留)
前シーズンと異なり、チャレンジ1-2間の入替戦*6は別日程で開催された。V公式の記録ページでは「チャレンジ入替戦男子」のくくりになるのだと思われるが、結果は表示されない。ヴェルディの公式を紐解いた。
2017/18 なし(リーグ再編のため)
V.LEAGUEは2018-19から再編されることとなり、V.LEAGUE DIVISION1(V1)は10チームで開催されることとなった。V1に出場できるライセンスであるS1を保有するのは11チーム、このうちV・チャレンジリーグ1に所属していた中では大分三好とVC長野がV1で戦うこととなった。もう1チーム、つくばが「2018年度以降のV1への入れ替え戦の参加資格を取得した」という位置づけでS1ライセンスを保持した状態でV2となった。
つまりこのシーズンのチャレンジマッチはおこなわれなかった。
2018-19 なし(V2リーグにS1ライセンス保有チームなし)
こんがらがってきた。2017/18時点ではつくばが条件付きS1だった気がするのだが、そもそもリーグ戦ではチャレンジマッチを狙えるような位置には着けなかった。そのシーズン中に発表された「2019-20シーズンに向けてのライセンス」ではS2に位置づけられていた。いずれにせよちーんなのだが、鶏と卵の位置関係がよくわからなくなってきた。何にせよ、このシーズンは、チャレンジマッチの催行条件は満たされなかった。だって富士通がS2なんだもん。
2019-20(3/14-15日鐵堺 ※予定)→中止
というわけで今季である。男子V1開幕前日に発表された2020-21のライセンスで、ヴォレアス北海道がS1取得であることが判明し、2位以内であればチャレンジマッチに進出することとなった。優勝した富士通(やはりS2)と2チームが上位を走る状況であったため、チャレンジマッチ出場権獲得は割と早めに確定していた。ただ、日程がすべて終わらなかったわけだが。
同じように地方のチームとして地元に根ざしながら基盤をつくってきているVC長野との対戦ということになるのはなんというか凄まじい趣を感じる。マスコットのかわいらしさとかプリンの美味しさとかそういうこともまだ比べきれていないのだが、さて。
20200309追記:チャレンジマッチは中止になりました。
中止と致します(3/9更新)
2020年3月14日(土)~15日(日)にて2019-20V.LEAGUE V・チャレンジマッチ(V1男子・V2男子入替戦)を無観客試合で開催することを計画しておりましたが、昨今の近畿地区での新型コロナウイルス感染症拡大を鑑み、選手・大会関係者ならびに開催地周辺地域への影響を考え、大会の開催を中止することになりましたのでお知らせ致します。
V・チャレンジマッチ男子大会の順延は行わず、今シーズンのV.LEAGUE DIVISION1・10位VC長野トライデンツとV.LEAGUE DIVISION2・2位ヴォレアス北海道の入替えは行いませんので併せてお知らせ致します。
ひなまつりとホームゲーム
カピオから帰ってきて10日くらい経った。その当時から、新型コロナウィルスへの最大限の警戒を以て運営もプレイも観戦もその他諸々進められてきたが、結局リーグ戦の続行への希望は絶たれ、リーグ戦は終わってしまって、その後の予定も続々と白紙になって現在に至っている。この先に何をどう望んだらいいのか既によくわからない。ここまでの長い戦いを抜けて、意義ある試合を進めてきたチームや選手への感謝の気持ちはなんも薄れることはないが、急に終わったリーグという事実に直面し、それぞれの方々が、必要以上にご自分のその先を見つめ直して、そこから何かを考えて決断するようなことがあるのではないかと、見る側も必要以上に心配しているこの頃なのである。
そして、3月になった。チャレンジマッチがおこなわれるのか否かは、未だによくわからない。来季また逢いましょう、は、いろんな場面に適用できる挨拶なのだろうか。
……という、本筋について、考えさせられるポイントは数多あるのだが、それはさておく。
カピオにいるときからずっと考えていたことはあるのだ。各チームはホームゲームをおこなう。おこなうのだが、チームにとってのホームって、一体何なのだろうかということを、この前、カピオでは、随分考えさせられた。選手はホームゲームへの感謝を伝える際に、いろいろな立場(あるいは、そこにいるひとたち)を挙げて、並べようとする。ただ、その中で、そのひとそのひとの立場で、ああ、自分(たち)は、果たしてちゃんと顧みられているのだろうか、ということを、思ってしまうことは、あるのだろうと。例えばボールの飛び先とか、そういうところから、考えてしまうことは、あるのかもしれないと。
それ自体はそうなのだろうと思う。思いつつも、ホームゲームってなんだろう、ということを、改めて、ひなまつりになって思い起こす。
応援している選手に家族が在って、ホームゲームというのは、「ホーム」なので、そこに家族がやってくる。そして選手に声援を送る。いつしか、ホームゲームって、それを見ながらほっこりする場所になったのかなと、自分あたりは思うのだということを。あ、そういえば、今季の開幕は、別の角度から、ホームを感じたなあと(あ、復習しようじゃないか。わたしの開幕は、旭川じゃなくて、都城だったんだよ)。
普段見ている選手たちが、そこで、プレイをできることに感謝する、そういう側面は、ホームゲームには在るんじゃないのかな。ということを、ホームゲームが終わってから10日くらい経ってから、じわじわ思い至るのですよと。まとまらないまとまらないと思いつつ、ようやくまとまりましたですよと。
でも、まとまらない思いはある。いつか、その続きがあらんことをと、願ってやまないのだ。
ジェイテクト
ジェイテクトSTINGSが、初めて、ブランデージ杯を手にした。
現地は無観客試合としておこなわれたが、てれびで見る機会は持つことが出来て、その試合をたっぷり愉しむことが出来た。どちらが勝ってもおかしくない好試合だったが、ジェイテクトがその総力をあげて勝利を収め、ほんとうに初めてのタイトルを手にした。
今その瞬間とその戦いについて見ながら、じゅわりと噴き出したちょっと外側のことについて、中途半端な思い出話を記録することにする。おめでとうございます。
Chapt.1
ちょうど、わたしが、またバレーを見ることになっていきそうという時期(このブログが始まった時期ともいう)に、当時はVリーグの下部にあった「V1」リーグがおこなわれていた。そのとき「豊田工機」という名でリーグに参戦していたのはおぼろげに識っていたくらいであったが、2006/07シーズン、VリーグがV・プレミアリーグ、V・チャレンジリーグ(旧V1)に分かれた際、サンガイアは富士通とともに初めてそのリーグに加わったのだが、同じタイミングで「豊田工機」は「光洋精工」という大阪の会社と合併し、「ジェイテクト」になり「ジェイテクトSTINGS」という新しいチーム名でリーグに臨むことになったわけである。本拠地は愛知・刈谷。リーグの中位から、上位を目指してという状況に、じわじわとシフトしていった感。
ホームゲームの会場として、わたしの応援するチームの対戦相手として、何度となく、その存在を実感させられていた。当時の応援団長さんと挨拶をして、いろいろな話をするのもたのしみだった。
Chapt.2
ジェイテクトは2009/10(前年FC東京が入れ替え戦を制してV・プレミアリーグに昇格した)に初めての入れ替え戦に臨むも昇格には至らなかった。翌2010/11シーズンは、シーズン終盤まで優勝争いが混沌としていたが、閉幕前のつくばカピオ大会前日に東日本大震災、リーグ戦が打ち切りになり、ジェイテクトは首位だったがチャレンジマッチがおこなわれなかった*1。
翌2011/12は2位で終了もチャレンジマッチでJTに敗れ、迎えた2012/13、4度目のチャレンジマッチ、1勝1敗、大分三好と1勝1敗で並ぶも、得点率という僅差でV・プレミアへの昇格を果たした。
Chapt.3
チャレンジマッチがおこなわれなかったシーズンから3年、ちょうどジェイテクトがプレミアへ昇格した2013/14シーズンあたりから、自分のVリーグ観戦頻度がまた上がっていったような気がする。体育館というのは1年以上前に抑えられるものだから、主のジェイテクトは不在ながら、そのお膝元である刈谷市で、そのシーズンのV・チャレンジリーグが終了する、というスケジュールになっていた。
V・プレミアに昇格したジェイテクトがどう戦っていくのか、ということについては心を寄せながら、その頃は地元のバレーボールを見て追うのがメインになっていた。前年に東レを退団した史郎さんが北海道でその基盤をつくっていき、その先の針路を模索していたと思ったら、秋口にジェイテクトへ行くと聞いた。
ジェイテクトは、刈谷で「チャレンジリーグ」の最終週があるその前の週に、芦別でおこなわれるV・プレミアリーグの試合に登場する予定となっていた。実は、この芦別、どういうわけか、ジェイテクトの応援席で見る機会に恵まれた。札幌から往復バスが出て、ジェイテクトの試合1試合を見るプランで、久しぶりのジェイテクトを、たっぷり愉しんだ。
ジェイテクトの置き土産的な翌週の刈谷大会で、懐かしい方にお会いして、声にならない声の中に在ったのは、ただの余談である。そしてこのシーズンを起点に、ジェイテクトはV・プレミアリーグで確固たる地盤を築き始めたのであるのだ。
Now.
ここからのことにはいっぱい語り部がいるだろう。来たひと、去ったひと、戻ってきたひと、外から思いを寄せるひと、応援し続けているひと、出会ったひと、いっぱいいるだろう。そして、それぞれのことばがあるのだろう。きのう、試合が終わってから、いっぱい、いろいろ、読んだり感じたりした。試合会場にあるものも、試合会場にあることができたかったものも。
ちゃんと試合が終わって勝負がついたものとして、昨日の日付が刻まれた。
「まだ終わっていない」について
「今季のVリーグは、まだ終わっていない」という。ウチキラレタモノモアルケドネー
きちんと試合が始まって決着が着いてほしいものがもうひとつあり、おそらくここまで書いた中につながることがあるのだろうと。VC長野トライデンツとヴォレアス北海道。
*1:少々トウの立ったチャレンジマッチウォッチャーの記憶には刻まれている。だからこそ今年はなんとか開催されないかと願っている
V2、V3とは、というのを、ぐるぐる考えている。
昨日、2019-20シーズンのV2リーグ男子が終了した。応援しているチームにとっては、予定より1日(だけ)早いリーグの終結である。今頃わたしは帯広にいたはずだったのだが、家の中でこれを書いている。非常事態宣言とやらが出たので、この土日は、V1のファイナルをDAZNで見たりしながら、存分に引きこもる所存である。
それにしても、である。
やっぱり疑問に思って、解消しきれないことはある。
機構のサイトは逐次更新されていっているので、2/26時点での発表をこちらから残す。
V.LEAGUE全般でいえば、ことしは東京五輪開催の関係か、例年よりもリーグ戦の日程進行が早いので、2/26時点で、女子のV1、V2、男子のV3、そしてV1のレギュラーラウンドとファイナルの上位2つを決めるところまでは終了していた。残るはV1のファイナル(決勝)、V2のレギュラーラウンド(各チーム残り1~4試合)、そしてV1-V2間の入れ替え戦であるチャレンジマッチという状況であった。
同じタイミングでおこなわれる予定であった、V1のファイナルとV2の残り試合について、26日の時点でVリーグは判断を分けた。
- V1のファイナルは無観客で開催
- V2の残り試合は当該日程においては中止、その後については緊急理事会で判断
この時点で判断が分かれたのはどうしてなのだろうなということだ。V1が、既にファイナルという機構主導フェーズに移行していて、機構ですぐ判断ができる状態であって、V2がそうではないからなのか(そういえば前週の「警戒しつつの開催」においても、V1とV2で、何をする、しないという扱いはわかれた)、V2は帯広を筆頭に移動距離が長い会場が多く、また、対象チームが多いからなのか、そもそも機構においては(建前と本音といろいろありつつも、本音の部分では)「ぶいりーぐ」といわれれば、それはV1のことを指しているのか。
26日のこの発表を受けて、SNSなどで見る限り、現場(選手とか)サイドに「ああこれで終わりなのだろうか」という空気が流れていたが、誰がどう、ミリの可能性があると思ったのか。試合をするしないの判断だけ先送りにして、結局打ち切りとなったのか、ということに、釈然としないものは感じる。たぶん速報ベースでは「V1のファイナル」について伝える優先度が高いというのは渋々納得するにしても、じゃあどうして違いがあるのか、そして2日を経なければ(沙汰が決まる緊急理事会の日程だけでもどこかで公示されていればそれは別)決められないくらい、代替開催できる可能性があったのか。新型コロナウイルスに関する情勢は日々変わっているのでそれはそれとしても、なんかもうちょっと上手く言ってよやってよ、という感は否めない。
かくして、V2リーグは打ち切りとなった。
2/28時点での「V2打ち切り理由」に関する記述(引用)
新型コロナウイルスの影響がいつまで続くのか現時点では不明な中、社員の外出禁止などを決めている企業もあり代替の日程・会場の確保が見込めない。
(3月14日・15日にV・チャレンジマッチ、3月25日からはJVA主催の天皇杯・皇后杯の開催予定があり、選手の契約期間の問題等の課題があり4月以降の開催は見込めない。)
打ち切り時点で試合消化数に最大3の差があり、3-4位についてはその差が如実に現れてしまった(どのチームの所為でもない)。こうなってしまうと、そもそも12チームでV2リーグを実施することが難しかったのではないかと邪推する。各チームの消化試合数が最後の最後まで合わないことは、日程が出た時点でわかっていたが、もうちょっとなんとかならなかったのかというところをいかように考えても、なんとかするのが難しかったのかなという考えにしかならない。だって12チームあるんだもん。
そう考えた時、V2が12チームで、V3が4チーム、という今シーズンのV.LEAGUEの編成に、果たして合理性はあったのだろうかというところに立ち戻る。2014/15まではひとつだったV・チャレンジリーグは翌シーズンからチャレンジ1と2の2つに分かれ、それがV2とV3に移行した。そこを分けた根拠もよくわからないし、更に遡るとVリーグの配下でもなかった2部以下相当のリーグ*1であるV2、V3に対して、機構がどのような意味付けをしているのか、そして、どんなリーグになればよいのか、そもそもV2とV3にはどんな違いがあって、これだけいびつなチーム数で分かれているのか。問いかける先のない疑問がいっぱい湧いてきて、そしてくすぶっている。
それを先日の拙稿では「V2、V3に対するV.LEAGUEのグランドデザインは?」と書きたかった、つもりである。幾分舌っ足らずであったという反省はしている。
V3リーグを(その上のV2もだが)どのようなリーグとして存在させるのか、という、V.LEAGUEとしてのグランドデザインが必要なのではないだろうか。
組み込んだからには打ち出してほしいというところはある。それぞれに持つ制約の中で、精一杯の戦いをしている、それぞれの立場の方々を思う。
「今回は」仕方ない。そうは思いつつも、じゃあこれからどうするのだろうということを考えてしまう。V1とV2のチャレンジマッチがおこなわれるかどうか(おこなわれるにしても無観客試合であることは確定)は現時点ではなんともいえない。その試合がおこなわれるにしろ、おこなわれないにしろ、V2のチーム数は12か13になるのだろう。V2とV3の入れ替え戦はそもそもデザインにないので、S2を持つチームはV2ということになるのだとすれば、来季の日程編成は、さらに困難を極めることになるのだろう。
V2やV3をどうしたいんだろう、どうなりたいんだろう。バスケのB2とB3、JリーグのJ2とJ3……とも、ちょっと位置取り違う気がするんだよなあ、V2とV3。とりとめがないのと落とし所がないのと。
でもこれだけはひとつだけは。
11月から、たゆまず、戦い続けた皆様に、おつかれさまでした。それだけは。
そしてチャレンジマッチで、ちゃんと雌雄を決することができるように、今は、いうとおりに、じっくりと引きこもるのである。ヴォレアスも、トライデンツも、それぞれ練習すら難しい状況に直面するのかもしれないが、それぞれのベストを尽くして戦えるように。
近況とかね
帯広をはじめ、むこう2週のV2リーグ試合が中止になった。
それをどうこういうつもりはないのでなにも言わない。ただかなしいと思っている。この週末は、かなしいのでファイナルの決勝やら過去のV2のV.TV収録分やらを画面で見ようかと思っている。(リンク先:V1ファイナルは無観客試合でおこなって、V2は2/29-3/1と3/7-8を中止にするけどその後のことはわからんよと言っている)
パっと頭に浮かぶ言葉はない。今もないので、そこにめがけて書く言葉はない。
V3が終わっていてヨカッタというのも幾分不謹慎である。そりゃそうだ。だが、リーグ全般の余韻をいかんともし難かったので、思いのままに書かせていただいた。
実はバレーボールマガジンサイトに書いた内容と、Yahoo!に載っている内容で、ちょっと違いがある。前者のほうが言葉過剰で濃いめ、ではある。
続きは……寝て起きてから。
まだ、V2おつかれさまでした、にも、早そうな感じ、らしいので。