/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

2018年11月10日という忘れられない一日

晦日も押し迫ってことしも残すところあと2時間を切ったところで唐突に書き始める。書くタイミングとしてはかなりギリギリだけど、この日があまりにも濃かったうえに、そのあとも濃い時間が続いていたことを、年のおわりに書き残しておきたいと思った。

なんとなく、この日は「重なりそうだ」という予感はあった。新生V.LEAGUEにおいては、V2とV3がこの日を開幕日とした。一方、北海道の大学1部リーグはこの日が最終日となった。

重なるというのがわかった7月に、ついったーで思わずアンケートを採ってみた。

上2つはほんとに迷ったんだってば迷ったんだって。迷わず決めたけど迷ったんだってば。なぜならば、その開幕日は、ただの開幕日じゃなかった*1んだもの。

だがしかし、わたしは11月10日の夜遅くに新千歳を発つ飛行機を取った。つまり、夕方ギリギリまでは札幌にいよう、ということにしたのだ。

11月10日の会場は東海大学札幌校舎、TOKAI ARENAだった。男女各1コートで5セットマッチが4つおこなわれる、わかってはいても濃厚な1日なのである。試合開始1時間近く前に会場に着き、まずは男子側のコートのエンドに陣取った。見る度に「エンドから見たい」と思うチームが出てきたからだ。

それが今回初めて1部挑戦になった小樽商大で、同じ2部でしのぎを削り、2部を制して入替戦に出てきた北大との対戦であった。どちらにも応援団がいて、それぞれの応援合戦が活発におこなわれていた。ここで樽商が勝つとなるとこの入替戦は大混戦になるところだった。北大が先制して樽商が1セットを返し、そこからどういう展開になるかと思ったら、以降は北大がすっかり落ち着いた展開と相成った。後から気がついたのだが、北大は1セットを先制した時点で1部昇格が決まっていたということである。

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カモン、カモン、カモンサーブ
北海道大学 3-1 小樽商科大学

(北大1部昇格、樽商2部残留)

この時点で男子の1部枠はあとひとつ。もちろん第2試合の勝敗次第なのだが、北星がぐいぐいっと1部残留へ近づいた感触はあった。実はこの試合は半分くらいだけ見た。女子コートでおこなわれていた北海学園の試合を見ていたからだ。

北海学園は暫く2部にいたが、春季リーグで入替戦を突破し、久しぶりの1部を戦っていた。4年生がいっぱいいて、それぞれにこの場にぶつけているのを見ていて、だんだん応援に熱が入っていっていたのがわかった。その戦いを見届けて(というか交互に行き来しつつ)、男子の第2試合を見て、という感じになった。男子の第2試合は北星がストレートで勝ち、1部残留を決めた。来年も北星を1部で見られるのはとても嬉しい。そして、春から多くのメンバーが入れ替わった科学大は2部となったが、そこからのチームの巻き返し、仕上がりをたのしみにしていたい(たぶん2部にも行くのだ)。

北星学園大学 3-0 北海道科学大学

(北星1部残留、科学大2部降格)

 

第2試合が終わったらそのあとの2試合は上位リーグである。第3試合開始前、コートに両方の選手が出てきたときの緊迫感と高揚感は言葉にしようがなかった。

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北海学園の大きな部旗と集まるおおくのメンバー。この日はひときわ響いた

北海道には全日本インカレの出場枠が3つしかない(女子は4つ)ので、この時点で、まだ出場する大学が決まっていなかった。抽選は終わっていて、トーナメント表は出ていたのに、である。第3試合に勝ったほうが全日本インカレに出場出来るのである。この日は冒頭に書いたとおり旭川も開幕戦であったが、勿論監督とコーチはこちらに全力であった、その北海学園にもその枠を突破して欲しいと思っていた(ことしこそ、わたしも学園も行ける全カレであればいいなとずっと)が、だからといって…。つまり枠が少ないのである。枠が。

北海学園が1セットを先取し、第2セットも競り合った。このセットを接戦の末28-26で北翔が制してからは、しかし、北翔が走った。熱の籠もった試合であったが、最後の最後で北翔の底力が溢れ出た。そういう結末だった。

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難しいシーズンだった感あれど戦い抜いた北翔
北翔大学 3-1 北海学園大学

北翔は3位になった。これは「北海道3」に入る(つまり早稲田と緒戦)なのかと思ったが、そうじゃなくて、北海道枠を取得した3つのなかでエントリーが早かった順に1,2,3に割り当てられるということだったのである(そして北翔は東海湘南との対戦となった)。

そしてやってきた。「勝ったほうが優勝」となる第4試合。

実はこの頃ちらちらと、分身を遣わせたかった水郷の第3試合の様子が伝わってきていた。気にはなったが、気にしているどころではなかった。第4試合はがっぷり四つであった。どちらが優勝してもおかしくなかった。フルセットにもつれ込んでからは、ほんとうに膠着状態になった。声をあげていたのと興奮していたのとは何となく憶えているが、ことばにするのがなかなか難しい。

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気魄

ファイナルセットはデュースにもつれ込んだ。この試合にピリオドを打ったのは値千金のブロックだった。ブロックを決めた大竹はもみくちゃになり、止められた札大鈴木と抱き合って、その後主将より先に胴上げされた。なんともことしの東海であって札大であって、身をちぎられる思いをしつつも、きょうはこの場所にいて良かった、と、しみじみ思った。

東海大学札幌校舎 3-2 札幌大学

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この試合が終わった時点で17時を回っていた。閉会式は最初見ていたが、個人賞の発表前にタイムアップになって、あとはひたすら新千歳空港を目指しながら、余韻もそこそこに水郷のサンガイアの様子を気にかけていた。サンガイアが勝ったというのを識って安堵し、飛行機に乗り込めて安堵した。

ことしは春も秋も最終日の翌日に予定を入れてしまい、閉会式のあとのしゃしん撮影もままならなかった。自分はそうであったが、その場所にいらした方のお陰でそのあとの様子がわかって、伝わって、ほんとうに嬉しかった。

なんだかその後突っ走ってしまって、結局この文章も突っ走ってしまって、ではあるが、ほんとうにいっぱい、いっぱい詰まりすぎた日であったことだけは書き留められたのかなと勝手に思っている。

北海道の大学リーグには、こんなに濃密な日があったのだ。

既にそれぞれの大学は代が替わり、あたらしい一歩を踏み始めるひとたちがいる折、それぞれのなかにボールがおおきく存在しているような、そんな時間が続いたらいいなと思っている。もちろん、わたしにとっても。

※あげ切れていないしゃしんがあったのだ。いっぱいあったのだ。何らかの形できっと。→20190101 ほんのちょっと追加

*1:まさかホームチームの主将選手宣誓がここに降ってくるとは思わなかったがそれを抜きにしても