「どちらでもない」
ことしは、久しぶりに家族で温泉など行ってみようということにしていた。下の妹が亡くなって以来、そういう機会が暫くなかった(たぶん、この帰りに定山渓で待ち合わせ…以来、かなあ)のだが、そろそろことしこそは、ということで、当初、7月くらいに予定をしたいなあと言っていた。ただ、行こうと思ったところがけっこうな人気で予約がなかなか取れず、数ヶ月前の時点で、取れるのがこの週末くらい、という状況だったので、何か来そうだなぁ、という多少の予感を伴いながら、部屋とスケジュールをおさえていた。
あっそういえばこの週末、例年サマーカップの時期じゃなかったか?ということには、スケジュールを決めた以降、割と早めに気がついた。実際そうなった。そして、あれれあれれと言ってたら、天皇杯の北海道ブロックラウンドの時期が大きく前倒しになって、それもこの時期に来た。
先週は留萌に行っていて、留萌につどったチームのnextが、サマーカップだったり北海道ブロックラウンドだったりした。来週はどちらにも行かないと思いつつ、それぞれのチームの動向を見届けて、それぞれに成果が出せるようにと願った。どちらか行ける状況になっていたら、どちらに行くか非常に迷ったのかなという感が、あとになってじわじわとしてきた。おそらく、どちらにも行かないということで正解だったのかもしれない、どちらにも等距離で俯瞰するというのが、今週の正解だったということだったのかなと思った。負け惜しみではなく。
今回行ったのは、白老・虎杖浜(こじょうはま)の、かぶりつきで海が見える宿。部屋にはてれびがなく(ただしWi-Fiはきっちり入ってきた。普段てれびをそんなに観ない者にとっては、てれびが無いことの意味合いが薄かったかもしれないが、気のせいだ(・_・;))
宿に着いては海を見つめて、露天風呂から海を見つめて、海の見える部屋で食事をして、部屋からも海を見つめた。スケッチブックと色鉛筆が置いてあるコーナーがあったので、なんとなく書いたり描いたりした。持って行ったカメラで景色を撮った。天気が良ければ日の出が綺麗だと聞いたので、モーニングコールをしてもらって早朝の日の出を拝んだ。ほんとうに鮮やかなあかだった。
重なりと関係性。
忘れられない時間と景色を見た感があった。
旅のあいだに、バレーボールマガジンで久しぶりに書いた長い記事が公開された。2週前の試合のレポートである。
Wi-Fi接続でひとしきり振り返りながら、当日野幌での戦いに思いを馳せた。様子を窺う限り、ヴォレアスは、またあたらしい宿題を抱えたように思えた。そして、このあたらしいチームのおおくの宿題の抱え方、解き方と、それを自分が見てことばにすることとのあいだの関係性と距離についても、おおくの課題があるように思えた。そこは暫く整理して行こう、と、温泉につかりながら思った。