背中はどこだ 見えるところにあるか
土曜日の朝。いると思っていなかった人がいた。
八子さんいる。
現在の全日本にとってのWSはそうそう喫緊の課題ではないのだろうな、と個人的には思う(このあたりは、いろいろ意見私見異論各論あるのだろうが)。終了したこちらのアンケートを見ても、現状においても、いろいろ考えられるのだろうしなぁ。そう見えた。
しかし誰かがいそいでる。
そして、その手の鳴る方向へ、確実に、確実に、駆け足で進んでいる存在がある。追いかける背中は、微かに見えているのだろう。否、微かにと言っているのは、ことしの黒鷲を見ていなかった自分くらいのもので、もう、前を走る者たちの背中の輪郭も、背番号の上に書かれている名前も、ノースリーブのユニフォームから覗く上腕も、その先に控える対戦相手の存在も、ちゃんと視界にはあるんだろうな。
東西対抗で、東海大学は改めてそのつよさを見せつけた。そして、その主将である八子は全日本での、新たな、大切な試合に向かう。
ずっと追いかけていく。
追いかけているはずの存在は、そのあと追いかけられる存在になる。
そうやって、つぎつぎと、ひとは世に出て行くのだ。