/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

手法なのか、競技の特性なのか、それとも

見ているというのかテレビを点けて寝ているというのかよくわからないが、よくわからないなりに、当方に於いても現在FIFAワールドカップ2010絶賛開催中…ではある。物心ついていちばん最初に認識した「ワールドカップ」はバレーボールだったのだが、そうはいっても「ワールドカップ」と競技名も何も付けずに書けば、それはサッカーのことなのだろうという意識はある。

ワールドカップは1次リーグが終わっていよいよ佳境に入ってきた。国内外で非常に盛り上がっている。ただ盛り上がっているだけではない。試合の前後、その展開や作戦やひとつひとつのプレイについて、非常に熱く深いトークが繰り広げられる。試合が行なわれていない時間帯にテレビを点けたとき、サッカーに詳しい芸能人と元プレイヤーの解説者が入り交じった状態で展開する番組にじわじわ目を奪われた。日頃バレーを見る者として、単純に「いいなぁ」と思ったが、即座に「バレーじゃ無いよなぁ」とも考えてしまった。

バレーボール(ここのところ地上波で放映されるのはほとんど全日本絡みの国際試合なので、それに限定して書く)の中継について、競技そのものを、各プレイや戦術の解説は別として、競技とは関係のない過剰な演出・タイアップや余計な言葉を差し挟まずに伝えきり、且つ観る側にインパクトを与え、また見たいと思うようにする…のは、無理なことなのだろうか。

勿論、競技が違うのだから競技の特性も違うということは考慮しなければならない。バレーボールってどんなスポーツだろうか…とアタマを捻ってみると、

  • ネットを挟んで直接接触は無い
  • ひとつひとつのプレイの流れが速い
  • 試合中の各人の役割を捕らえるのが難しい
  • 試合を決めるポイントが非常に微妙で細かいところにある
  • 試合を決めるのは時間ではなく得点なので、試合時間が試合によってまちまちである

などなど、様々な要素がアタマに浮かんできた。
現在おこなわれているバレーボールを「語れる」「読み解いて伝えられる」評論家や、それに乗ってくるタレントがいないこと、そもそも多くの視聴者にとって、バレーボールは時期を限ったお祭りであり、「今やってるから盛り上がる」対象に過ぎないので*1、放送のターゲッティングが難しいであろうこと…など、見たいなぁと思う番組が難しそうだなと思う理由はある。それで視聴率が稼げるかといったら…という方向に、どうしても行ってしまうだろうし。
最近気にかかっているのは、テレビでのタイアップ云々とは別の話として、「見る」スポーツとしてのバレーボールを好む層は女性が多くて、女性層をターゲットとして番組がつくられているのだろうか、ということである。男子バレーには女性ファンが多く、女子バレーにもけっこう女性ファンが多い、みたいな話を聞くと、そうなのかなぁと考えることがある。あくまでもこの国では、男性にとってはほかに楽しいスポーツがあって…という図式なのかな、ということなのかな…。

最近、こんなふうに、折に触れて、しばらく放映されていないバレーボールのテレビ中継について思いを馳せているのだが、たまたま部屋の整理中に見つけたバレーボールマガジン2007年2月号(前回世界選手権終了後に刊行)で、山岸専務理事の「本音トーク」として書かれていた内容を見て目が丸くなった。
このあたりの迷いは、中の人にもあるんだろうな、…と思った。
前回大会(男女とも日本開催)では、日本戦は非常によく会場が埋まり、テレビの視聴率も男女とも平均20%を越えたが、日本以外の試合が行なわれた会場の入りが悪かった。また、最終日に、日本戦と決勝戦との放映順をどうするかで物議をかもしていた。
気にかかったところを一部引用する。

視聴率はたいへん好調で国民の多くの方がご覧になっていました。にもかかわらず、チケットが売れなかった要因としていろんな要素があると思います。例えば昔でいうアメリカのカーチ・キライやスティーブ・ティモンズやイタリアのアンドレア・ジャーニーとか、世界のスターが日本のファンにも浸透していましたが、現在の外国人選手の知名度が低くなっていることも一つに挙げられるでしょうね。
(中略)男子バレーは30ヵ国ものテレビ局がライブを放映するほど、世界での人気は衰えておらず、各国の国内リーグも反映*2しております。しかし、日本の国内では、スタープレーヤーに頼ったバレーブームを作るところに要因があるのではないでしょうか。

最近、ワールドリーグの中継をインターネット経由で見たりしていて段々わかってきたことは、男子バレーって、日本でとらえられているそれと、ほか各国のそれと…周りのイメージが全然違うんだなぁ、ということである。どうしてなのかはよくわからない。
テレビの中の方もいろいろ考えを巡らせていらっしゃるようであるし、バレーボールとテレビという媒体との関係が今後どう推移、展開していくのか、更に気にかけてみることとする。

*1:それ言っちゃったら、一部のサカヲタ以外にとってのワールドカップもそうなんだろーけど

*2:原文ママ。「繁栄」じゃないかと思うんだが