/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

運営の力?

日本航空の女子バスケットボール部JALラビッツ」が、来季限りでの廃部を発表した。当方の巡回先にも熱心に応援している方が在ったりして、ほんとこの件に関しては何と申し上げたらいいのか、言葉が見あたらない。

一通り各社の記事をWebで眺めたのだが、その過程で気がつかなかった文字列を、先ほど強調表示させた。その件について話していて、話し相手に指摘されるまで、この廃部が「来季終了」時点であることに気がつかなかった。あと1シーズン戦う、とのことである。
運営上の事情に踏み込んで書かれている記事は下記。2件確認出来たが、それぞれ若干ニュアンスが異なっている。

リーグは既に来季の試合日程をほぼ固めており、同部が来季参戦しなければ、開催地などに影響が出る。関係者は「試合のキャンセルで企業イメージが落ちることを恐れて、同社は来季も参戦することにしたのではないか」とみている。
朝日新聞

http://www.asahi.com/sports/update/0302/TKY201003020312.html

Wリーグ脱退はシーズン前年度の10月までの申請が必要で、既に期間を過ぎているため来季は存続。
時事通信

http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2010030200681

このうち、時事通信が伝えるように、Wリーグ側が確たるポリシーをもって「次のリーグ」の運営ラインを守った、というのであれば、これは画期的である。逆に、ほかの競技での休部・廃部に関して、何故運営側が主張するラインというのが出せないのだろう、という疑問が沸々とわいてきたのである。

いちバレーボールファンである当方は、現在、Vリーグ機構がチームの休部・廃部による脱退について、どんな取り決めをしているのかが急に気になって、公式サイトの規程集を確認してみた。えっと、「Vリーグ機構規約」に書かれているのかなと思ったのだが、コレ、PDFが壊れていて読めないっす…その上の「一般社団法人定款」を読む。Vリーグで戦う各チームの運営組織は、加入時にVリーグ機構に「入社」し、これを脱退するときは「退社」する。定款にはこの「入社」と「退社」に関する記述がある。

退 社
第12条 社員はいつでも退社することができる。ただし、4か月以上前に当法人に対して、退社の予告をしなければならない。
2 前項の場合のほか、社員は次に掲げる事由により退社する。
(1)総社員の同意
(2)第9 条に定める社員の資格を満たさなくなったとき
(3)第13 条に基づく除名処分を受けたとき

Vリーグ公式:一般社団法人定款(PDF)

「退社の予告」は4ヶ月以上前、とあるが、この4ヶ月というのがシーズン中であるか否かというのは特に書かれていない。また、過去に休部・廃部となったチームの母体が「退社」しているタイミングが、全て殆どVリーグ総会の日であるところからすると、もしかすると退社が先なのではなく、チームが休部・廃部したことに伴って、第12条2項(2)にある「社員の資格を満たさなくなったとき」に該当して退社する…という流れなのかもしれない。
そのあたりは壊れたPDFファイルに書かれているのかもしれないので、現時点では確認出来ない。いずれにせよ、目に見える範囲では、リーグの正常な運営のために明確な期限を設けている…ようには受け取れなかった。チームの休部・廃部にアタマを抱える機構の図…は、何度も何度も何度も何度も繰り返されたのに。

チームが休部・廃部に至るということについてはそれぞれに事情があるのだとは思う(いちファンとしては、受け容れたくない場合が殆どである)が、結局、今季は、ひとつのチームがチャレンジマッチ1ヶ月後に急な休部に至ったことにより、チャレンジマッチで敗れたチームがV・プレミアリーグで戦い、V・チャレンジリーグは奇数チームでの変則日程をこなしている状態にある。この事態は如何にして招かれたものであったのか。チーム側の事情だけによるものではないだろう。と、改めて感じざるを得なかったのである。

JALラビッツの「残り1シーズン」が、それぞれに深く刻まれるものとなるよう、静かに願いつつ。