/ja あやつる YmrDhalmel

バレーボールを見た記録が多いです。主に北で、たまに南で。

甦る全日本女子バレー/吉井妙子(ISBN:4532164605)

読了はまだ。

シゴトバ近くの書店で平積みにされかかっているのを見たとき、「盛り上がっているさなかに出た提灯本の類か」と一瞬思った。著者の名に何となく引っかかりはあったものの…

敢えて辻とか大村とかの項をちょこちょこと立ち読みしていたが、最終章・柳本監督の項を読んで、思わず本を抱えてレジへ。

もろもろ含めて痛快なので、せっせと読み進めている次第。

あとがきを読んで(先に読むか)、思ったことだけを書き留めておく。


バレーボール選手は人気があっても、訴求性の高い選手が少なかった。書き手の視点からいうなら、この選手のノンフィクションを書いてみたい、と思わせるような個性にお目にかかれなかったのである。もちろん、バレーが人気競技の時代には言葉を巧みに操る選手はいた。しかしその言葉はあくまで誰かの借り物で、自分の身体の中から絞り出してきたものではなかった。長年、バレー選手というのはそういう特性があるのだと思っていた。特殊な環境がそうさせるのだと考えていた。
スポーツ選手として面白い、かなりココロを動かされる、そんな選手が、バレーの選手の中にもいた。
その選手は、バレーの選手にしておくのが勿体ない、と思わしめた。
少なくともその選手が大学3年のときまでは、当方はそんなことを思っていた。

それは過去形である。その選手自体がその後どう遷移していったかにかかわらず、過去形である。
だから、あとがきのこの部分が、当方にはえらく重かった。